マスターブレンダーとマスターディスティラーの共演『リージェント』《リージェント①》
■マスターブレンダーとマスターディスティラー
前回は、この2つの違いについてご紹介しました。
ウイスキーや蒸溜器の歴史の違いが、ウイスキーづくりに反映され、結果的に「マスターブレンダー」と「マスターディスティラー」という呼び名の違いとなっているのです!
■ブレンダーとディスティラーの共演『リージェント』
2024年11月に、日本のマスターブレンダーと、米国のマスターディスティラーが協力してつくり上げたウイスキー「リージェント」が発売となりました。
これについて数話に渡って、少し詳しめにご紹介したいと思います。
■ノウ氏:なんで名前がビームじゃないの?
ビーム家の家系の7代目ですが、名前がビームでなく「ノウ」です。
なぜなんでしょうか?
これについては、ビーム家の歴史を確認してみたいと思います。
ジムビームとは、米国でウイスキービジネスを始めたビーム家の4代目:ジェームズ・ボーリガード・ビームが発売したブランドです。
実は、ビーム家は最初からジムビームというブランド名のバーボンを販売していたのではありません。
ジムビーム・ブランドの発売以前には、ビーム家からいくつかのブランド名でバーボンが発売されましたが、全国区となったブランド名は「オールド・タブ」と言います。 (今でもジムビームの蒸溜所のショップでは、オールド・タブが売られています。)
そして、この家族や友人から「ジム・ビーム」と呼ばれていた4代目は、激動の時代を生き抜いた「やり手」でした。
■ジェームズ・ボーリガード・ビーム
特筆すべきは「禁酒法の終了後、わずか120日で蒸溜所を再開」です。
ジムビームは69歳になっていた禁酒法の終了直後、すぐに蒸溜を開始することでバーボン業界そのものを勇気づけるとともに、業界の活性化に尽力しました。
彼の働きが無ければ、バーボン業界の復興はかなり遅いものになったと言われています。
そのため、ジムビームはジムビーム・ブランドのみならず『バーボンの中興の祖』と呼ばれています。
またこのビーム家からは、自社他社問わず、現在のバーボン業界で活躍する優れたディスティラーを30名以上輩出していて、まさにバーボン界の名門です。
ジムビーム/バーボン、偉大なる血族の記録[ウイスキー&バー] All About
ちなみに、ジムビームという商品が「バーボンNo.1ブランド」に向けて一気に販売量を増やしたのは、ジムビームの息子の5代目の時代です。
■ビーム家とノウ家は親戚
BEAM'S HISTORY|MAKE HISTORY|世界No.1バーボン「ジムビーム」サントリー
やり手の4代目:ジムビームの娘婿の家系がノウ家なんです!
つまり、ビーム家もノウ家も、一緒といえば一緒なんですね!!
■次回は
リージェントのもう一人のキーマンについてご紹介します。