アーリータイムズ 最近は見かけなかったよね? in Japan《アーリー⑤》
■日本で、アーリータイムズといえば?
前回からの続きで、アーリータイムズの5回目です!
今回は、【D】そういえば、最近、あんまり見なかったような?です。
■振り返ってみようアーリータイムズの歴史!
■日本のアーリータイムズの歴史《深掘り編》
日本におけるアーリータイムズの歴史に、アメリカにおけるそれをガッチャンコすると、正確には4つの時代に分けることができます。
◇2020年
アーリータイムズ・ブランド
▶︎ブラウンフォーマン → サゼラックへ売却
日本におけるアーリータイムズは、イエローラベルがその代名詞ともいえる商品です。
これは1970年にサントリーが販売を開始してから、アサヒビールが2021年12月に休売するまでの50年以上に渡り、日本のBAR・スナック・居酒屋で愛されてきた定番品でした。
(アーリータイムズには、イエローラベルのほかにもブラウンラベルなど、いくつかの種類があります。)
その日本の50年以上の歴史を持つ定番品イエローラベルが、
・2021年12月 = 休売
・2022年6月 = 日本での取扱が正式終了
その後、2022年9月に明治屋が新・アーリータイムズを発売するまでの9ケ月ほどの間、正規流通品がなくなっていたわけです。
どうりで、最近、見なかったわけです。
■なぜ最近、日本で見かけなかったのか?を深掘り
上記の通り、アサヒビールが日本での取扱を終了した後、正規流通品がなかったので「見かけなかった」わけですが、そもそもなぜアサヒビールは、アーリータイムズ・イエローラベルの販売を止めてしまったのでしょうか?
それは、旧アーリータイムズの日本での取扱が終了してしまう直前の
にヒントがありそうです。
■アサヒビールからの公式見解
※ アサヒビールさんのニュースリリースから、該当箇所のリンクを添付しようと思ったのですが、「アーリータイムズ休売&その後の取扱終了」の関連記事は削除されてしまっているようで、見つけることができませんでした。。
■なぜ供給が追いつかないの?
これは、文面としては公式見解が出ていません。
ただ、2021年12月の休売時点で、「なぜ供給が追いつかないの?」という問い合わせに対しては、(NETなどの情報を集約すると)口頭ベースで以下のような回答だったようです。
コロナ禍による製造遅延や、
ウクライナ戦争による物流混乱ではなく、
「見た目品質」的な部分の確認事案が発生したようです。
■ウイスキーの澱オリについて
ここで、誤解を招きたくないので解説させていただくと、ウイスキーやワインといったアルコール製品には澱は発生するものです。
そして、むしろその澱は「うま味成分」的な要素があったりします。
ただ、見た目が良くないので、ウイスキーでもワインでも「冷却ろ過」という処理を施すことがほとんどです。
この冷却ろ過を施しても「味への影響は感知できるレベルではほとんどない」と言われています。
ただ、その「うま味成分」が出現したような『澱』は、見た目は良くないが、本来のお酒づくりの工程の中で発生するものなので、取り除かなくて良いのではないか?という意見もあります。
そのため、冷却ろ過を行わない商品もあり、ノンチル(ノンチルフィルタリング/アンチル/アンチルフィルタリング)などと呼ばれ、カスクストレングスなどの限定品などで、そういった商品があります。
■こうして
アメリカ本国の製造元への「見た目品質」の確認などで、商品供給が滞ったアーリータイムズ・イエローラベルは「休売」となり、結果的にはそのまま「日本での取扱が終了」となってしまいます。
次回は、この「見た目品質の変化」が、根本的にどういう背景から起こったのかを推測してみたいと思います!