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あれ?もうあるじゃん!《シマウマ樽》

■妄想ウイスキー『シマウマ樽熟成』

こちら以前に記事にした内容です。

ウイスキーと『木製樽』での熟成|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)

ざっと要約するとこんな内容です。

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ウイスキーを熟成させる木樽には、基本的にはオーク材を使います。

◇オーク材
・アメリカンホワイトオーク
 (バーボンによく使われる)

・スパニッシュオーク   
 (シェリーによく使われる)

・フレンチオーク     
 (ワインによく使われる)

・ミズナラ        
 (日本独自の樽材)

  などが有名な樽材

桜や栗の木を使うこともありますが、それらの木は曲がりづらかったりするので、基本的に鏡板(はじっこの丸い板)に使われるくらいで、側板(樽の湾曲している部分に使う板)に使われることはほとんどないです。

一方で、側板に複数種類のオーク材を使ってみれば、「シマウマみたいな樽」になって、熟成に面白い変化が起こるかも!

でも、そんなことする人はいないだろうなぁ
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こんな風に思ったら、もうやっている人がいました。

というか超大手メーカーがやっていました。


■シーバスリーガル ユニティカスク 12年

シーバスリーガルは、プレミアム価格帯のスコッチでは世界で一番売れている人気銘柄です。

また、スタンダード価格帯のスコッチを含めても、堂々の3位です!

◇スコッチウイスキー
 《2021年 出荷量ランキング》

1位:ジョニーウォーカー  
  1,920万ケース(前年比36%増)

2位:バランタイン      
   870万ケース(前年比24%増)

3位:グランツ       
   410万ケース(前年比15%増)

3位:シーバスリーガル
   410万ケース(前年比28%増)

出典:DRINKSINT.COM ミリオネアズクラブ2022

歴史も古いブレンディッド・スコッチで、今はペリノリカール社が所有するブランドです。

で、そのシーバスリーガルから、発売された日本限定かつ数量限定品のウイスキーが、「ユニティカスク12年」です。


■何がユニティなのか?

UNITY = 統一

それでは、この商品の何が一体、UNITYなのでしょうか?

シーバスリーガル  ユニティカスク12年は、モルト原酒とグレーン原酒をブレンドし、その一部をユニティカスクというユニークな樽でフィニッシュさせた日本限定、数量限定品。ユニティカスクは1つの樽にミズナラとフレンチオークを使ったもので、両者の個性が一体化しているという。

ウイスキーガロアVol.42 FEBRUARY 2024 P100 
発行:ウイスキー文化研究所

◇公式サイト
シーバスリーガル ユニティカスク 12年 ブレンデッドスコッチウイスキー - Chivas Regal JP

他にもこの商品を詳しく説明しているサイトがあります。

日本限定シーバスリーガル ユニティカスク 12年が発売! | ウイスキーを好きになるメディア|Barrel-バレル- (barrel365.com)

ペルノ・リカール・ジャパン、「シーバスリーガル ユニティカスク 12年」を日本限定・数量限定発売 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

2種類のオーク材を使っているので、「UNITY=統一」なんですね!

非常に興味が惹かれる樽です!! 
見てみたい!

ただ、ミズナラ材とフレンチオーク材が、樽のどの部分に使われているかは、文面からはわかないです。

個人的には、側板でシマウマ的に「ミズナラとフレンチオークが交互」に使われていたら超面白いと思います。

ただ、液漏れの可能性も高まりますし、
「鏡板=ミズナラ、側板=フレンチーク」
の可能性が高い気がしますね。

機会があれば、有識者に聞いてみたいと思います!


■カスクフィニッシュ

このユニティカスクですが『カスクフィニッシュ』で使用しているとのこと。

ということは、長期間熟成させた「モルト原酒」と「グレーン原酒」をブレンドしてからこのユニティカスクに入れて、追加で熟成させ、味わいに変化をつけているということです。

逆に言うと「ウイスキーの赤ちゃん=ニューポット(ニューメイク)」の状態で、この樽に詰めて、長期間の木樽熟成をさせているわけではありません。

この「ブランド+木樽名」の商品があった場合は、見極めがなかなか難しいです。


その「木樽」が、

①   フル・マチュレーション
(ニューメイクの状態で詰める)

②   カクスフィニッシュ
(メインの木樽熟成後に短期間、追加で詰める)

なのかは、その商品スペックの説明を良く読まないとワカラナイということになります。


■シーバスリーガル18年 ミズナラ

◇公式サイト
シーバスリーガル18年 ミズナラ カスク フィニッシュ - Chivas Regal JP

この商品は、ユニティカスク12年と同様にカスクフィニッシュです。

「モルト原酒」と「グレーン原酒」をブレンドしてから、ミズナラ樽に入れて追加で熟成させて、原酒全体にミズナラ樽のフレーバーを加えています。


■シーバスリーガル ミズナラ12年

◇公式サイト
シーバスリーガル ミズナラ ブレンデッドスコッチウイスキー - Chivas Regal JP

この商品は、原酒全体をカスクフィニッシュさせている「シーバスリーガル18年ミズナラ」とは違うスペックとなっています。

シーバスリーガル ミズナラ 12年は、日本原産のミズナラ樽で一部をフィニッシュした原酒がブレンドされた、世界初のブレンデッドスコッチウイスキーで、実にユニークなウイスキーです。

上記のシーバスリーガル公式サイトより引用

つまり、シーバスリーガル ミズナラ 12年は、

・18年ミズナラやユニティカスク12年のように、モルト原酒とグレーン原酒をブレンドした後に、ミズナラ樽でカスクフィニッシュさせているのでなく、

・ミズナラ樽でフルマチュレーション(ニューメイクの状態で詰めて熟成)させた12年以上熟成のミズナラ樽原酒をブレンドに使っているのでなく、

ミズナラ樽でカスクフィニッシュさせた原酒(トータル12年以上の熟成)を、ブレンドにつかう原酒の中の1つに使っているよ!

というスペックです。

よって、ミズナラ樽からの影響は、「18年ミズナラ」よりも「ミズナラ12年」の方が、小さくなると思います。

こちらのサイトに「ミズナラ12年」と「18年ミズナラ」の違いが、詳しく説明されています!

シーバスリーガルミズナラ12年とミズナラ18年をフカボリ!/味・飲み方・評価評判・オールドボトル | ウイスキーを好きになるメディア|Barrel-バレル- (barrel365.com)

発売が「ミズナラ12年」→「18年ミズナラ」→「ユニティカスク12年」の順番なので、徐々にミズナラ材の取扱いに慣れて、より高度な熟成技術になってきている気がしますね!


■それにしても

木樽熟成の進化が止まりません!

そりゃ、私が思いつくようなアイデアは、すでに実践されちゃっていますよね。。

ただ、今後も「あっ」と驚く樽が登場することでしょう!

楽しみです!!

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