シングルモルト人気へ導いたボトラーの雄:G&M社 《スコッチ・トレンド史⑤》
■スコッチウイスキー人気の浮き沈みの歴史
大きな周期で繰り返すスコッチウイスキーのトレンドについてご紹介する6回目です。
ただし、シングルモルト人気の立役者は、「グレンフディック」だけではありません。
シングルモルトがブームになるまで、色々な会社が、様々なチャレンジをして来たのです。
今回は、グレンフィディックに続く事例をご紹介してみたいと思います。
■ボトラーの雄 ゴードン&マクファイル社
ゴードン&マクファイル社とは、スペイサイドにある超有名なボトラー(瓶詰め業者)です。
◇ボトラー(瓶詰め業者)とは?
スコッチウイスキーの流通の草創期には、資金力の乏しい原酒生産者(=蒸溜所)から、資金力の豊富な食糧雑貨店(=のちのボトラー)が原酒樽を購入して売り捌く、という分業体制が、市場経済の中で自然発生的に確立して行きました。
そして、ウイスキーの品質を安定させるために、食糧雑貨店の店主が複数の樽の原酒をブレンドするようになり、ブレンディッド・ウイスキーが誕生しました。
この流れは以前に記事化しています。
有名ブレンディッド・ウイスキーの銘柄は、街の商店発!|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)
そのボトラーの中でも、歴史的にも、実力的にも、格式的にも、最も有名なのがゴードン&マクファイル社なのです!
ウイスキー愛好家は「G&M社」とか、「GM社」とかと呼んだりします。
■シングルモルトのパイオニア、G&M社
日本の正規代理店のジャパンインポートシステムさんのHPから、概要を引用してみたいと思います。
ゴードン&マクファイル | 株式会社ジャパンインポートシステム JAPAN IMPORT SYSTEM (jisys.co.jp)
気になるフレーズを太文字にしましたが、このゴードン&マクファイル社はシングルモルトのパイオニアなのです!
もうちょっと詳しく見てみましょう!
■ゴードン&マクファイル社 コニサーズチョイス
再び、ジャッパンインポートシステムさんのHPからの引用です。
1963年にウィリアム・グラント&サンズ社が、初めて瓶詰のシングルモルト・ウイスキー「グレンフィディック」を発売しました。
その5年後に、今度はいくつもの蒸溜所から原酒を購入している有力ボトラーのG&M社が「コニサーズチョイス(鑑定士の選択)」というシングルモルトを発売し、そのシングルモルトというウイスキータイプのすそ野を広げたのです!
ただ、G&M社のシングルモルト「推し」は、コニサーズチョイスに留まりません。
■ゴードン&マクファイル社 蒸留所ラベル
さらに、ジャッパンインポートシステムさんのHPからの引用です。
ボトラーが「蒸溜所のラベル」を正式にOKをもらって、シングルモルトを発売するって、今では考えられないことですよね。
例えば、山崎の原酒樽を業者に売ったとして、その業者が「シングルモルト山崎」という名前だけでなく、そのロゴやラベルそのものも使っちゃうイメージです。
もはや自社蒸溜所のブランディングを、ボトラーにお願いしちゃう感じですね。
いずれにせよ、グレンフィディックにはじまったシングルモルトという世界観を、超有力ボトラーのG&M社が広げたわけです!!
■「静かなブーム」が「大きめムーブメント」へ!
グレンフィディックやG&M社によって、「シングルモルト」が静かなブームとなると、それをさらに大きなムーブメントへさらに加速させたが事例があるのです!
次回に続きます!