なぜ、アメリカのアーリータイムズ・イエローラベルはバーボンじゃないの? 【日本人はハイスペックがお好きでしょ?編】《アーリー⑭》
■前回までのまとめ
前回は「日本がアーリータイムズ・イエローラベルの販売戦略地域になったから」を解説したので、今回は「日本人はハイスペック表示を好むから」を解説します。
■チャーリーが考える2つの背景
繰り返しとなり恐縮ですが、なぜアメリカで販売されている「アーリータイムズ・イエローラベル」のスペックがバーボンでなくなってしまったのか?については、以下の2つの背景があるのではないかと思っていて、今回は②です。
■「表示スペック」と「商品選択基準」の文化的違い
ちょっと小難しい表現をしていますが、簡単に言うと、
「純粋に美味しければ、細かい製造スペックは別に良くね?」
という話です。
最近は、「モノ消費でなくコト消費が大切!」ということが言われ、販売するモノにも、その背景にストーリーを求められることが多いと思います。
これは、古今東西、世界共通ではあると思いますが、日本では特にその
が重んじられる傾向にあると思います。
同じお酒業界で言えば、ビールの「生」の定義です。
これは、日本における定義は、生ビールの定義は「出荷容器への充填前後に熱殺菌されているかどうか」です。
(生=樽生=ドラフトビールの関係は、すごく複雑で、世界各国でも認識が異なったりもしているので、とても解説したいですが、話がズレすぎるので今回は泣く泣く割愛。)
日本では、なんとなく「生ビール」が
という感じです。
確かにそう思われるだけの歴史的な流れはあるものの、ビールの製造技術が進化した現在でも、深く考えずに
「生ビールは、熱処理ビールよりよりもの」
と思ってしまいがちです。
(製造技術の進化・嗜好の変化により、今は、サッポロ赤星ラガーや、キリンクラシックラガー、パーフェクト・サントリー・ビールなど「熱処理ビール」も、人気が高まっています。このビールの酒質と火入れ(=熱処理)については、またいつか記事化したいと思います。)
一方で、欧米では、日本人の「生ビール信仰」とは異なり、そこまでビールに対して「スペックとしての生」にこだわりはありません。
イメージでいうと、朝採れ新鮮野菜があって、それを
といった感じしょうか?
(すみません。私、留学経験や海外駐在経験もないので、あくまで文献で読んだだけの知識です・・・)
生の方がランクが上、というわけでなく、実際食べてみて、自分が好きな方を選ぶ、という感覚です。
そのため、ビールについても、「非加熱」か「加熱処理済」かは、日本ほどは気にされていないようです。
そして、同じような感覚が、アーリータイムズ・イエローラベルの「アメリカ仕様」=「ケンタッキー・ウイスキー表示」にも、当てはまっているのではないかと思っています。
■こういうわけで
アーリータイムズ・イエローラベルは、
という理由から、日本限定の「バーボン仕様」の商品になったものと私は推測しています。
一方で、アメリカでは
という理由と、何度も書いてきているように
という製造文化的な特徴から、アメリカ独自の「ケンタッキー・ウイスキー仕様」の商品になったのではないかと思います。
■やっと
14話かけて、やっとアーリータイムズ・イエローラベルの説明を終えることができました!
次回は、いよいよ新発売アーリータイムズ・ホワイトラベルの解説です。
(自分で言うのもなんですけど、アーリーの記事、長くない?)