見出し画像

他の4ケ国とは圧倒的に異なる歴史=日本のウイスキー 《5大ウイスキー⑤》

■5大ウイスキーについての5話目です

《チャーリー流:世界5大ウイスキーの3分類》
◇ウイスキー発祥国系
・アイルランド
・スコットランド

◇移民系
・アメリカ
・カナダ

◇日本

前回は、ウイスキーづくりの「歴史の違い」によって、ウイスキー発祥系2ケ国と、ウイスキー移民系2ケ国には、以下のような大きな違いあるとお伝えしました。

◇ウイスキー発祥国系
 =アイルランド/スコットランド
・モルトウイスキーがある
 (ポットスチルがある)
・グレーンウイスキーもある
 (連続式蒸溜機もある)

◇移民系=アメリカ/カナダ
・グレーンウイスキーしかない
 (連続式蒸溜機しかない)

今回は、その続きからです。


■日本のウイスキー:はじまり方の特異性

日本が5大ウイスキーの他の4ケ国と圧倒的に異なるのは、その「歴史」です。

これは発祥系2ケ国と、移民系2ケ国の時価軸の違いより、より大きな時間的隔たりがあります。
少し詳しく確認してみたいと思います。


■5大ウイスキーの時間軸(日本以外)

◇ウイスキー発祥国系 (アイルランド/スコットランド)

・12世紀にアイルランドで、ウスケボーが飲まれていたようだ。(※1)
・15世紀のスコットランドに、修道士によるアクアヴィテ製造の公式記録がある。(※2)

ウイスキーの発祥国や発祥時期は確定していませんが、この2ケ国については、少なくとも500年以上も前から存在しています!

(※1)
ウイスキーというお酒は、どこで誕生したのか?? 《アイルランド?》|チャーリー / ウイスキー日記

(※2)
ウイスキーというお酒は、どこで誕生したのか?? 《スコットランド?》|チャーリー / ウイスキー日記

◇移民系 (アメリカ/カナダ)

・1622年頃、アメリカで最初のウイスキーがつくられた。(※3)
・1668年頃、カナダのビール醸造所でウイスキーが製造されたと推測される。(※4)

移民系の2ケ国では、ざっくり約350~400年前から移民によってウイスキーがつくりはじめられたと推測されています!

(※3)
”バーボン・ウイスキーが最初につくられたのはヴァージニアの沼沢地だ。時はアメリカ入植者の約3分の1が「ポウハタン族の蜂起」で虐殺された1622年頃にさかのぼる。”
(バーボンの歴史 P18 リード・ミーテンビュラー著 原書房)

(※4)
”1668年、ヴィルマリ(現モントリオール)近郊にジーン・テイロン(Gean Taylon)のビール醸造所があり、自家用の蒸留装置が備えられていた。ここが初期のウイスキー生産拠点であったと考えられる。”
(ウイスキーコニサー資格認定試験教本2021下巻 P156  発行:ウイスキー文化研究所)


■日本ウイスキーの時間軸

◇日本のウイスキーの歴史

19世紀後半、明治維新後に薬種問屋がイミテーション(模造)ウイスキーを調合、販売。(蒸溜・木樽熟成はしてない)

1923年、サントリー創業者:鳥井信治郎が、竹鶴政孝(のちにニッカウヰスキーを創業)を工場長に据え、日本初の本格的ウイスキー蒸溜所を山崎の地に建設。

日本のウイスキーのはじまりは明確で、上記の通り1923年です!

やっと100年が経過したところですが、他の4ケ国とはそのはじまり時期に圧倒的な時間差があります!


■産業としてはじまった日本ウイスキー

他の4ケ国と日本で、そのウイスキーのはじまりについて、圧倒的に違うのはそのはじまり方です。

◇先行:4ケ国
とにかく自分たちが飲みたいからつくりはじめた。
 ↓
農民が余剰穀物から
「自分たちで飲むためのウイスキー」
をつくったのがはじまり!

◇日本
明治生まれの大阪商人の鳥井が、先進国の欧米に追い付け追い越せの愛国心と、投資リスクが非常に大きく、それまで誰も挑戦しなかったウイスキーづくりへチャレンジした。
 ↓
鳥井が産業として
「売るためのお酒」
をつくったのがはじまり!

このような違いがあるのです!


■日本における舶来酒へのチャレンジ

次回へ続きます!!

いいなと思ったら応援しよう!