屋久島の気候風土が宿ったウイスキー《MARS The Y.A.前編》
■本坊酒造の2蒸溜所・3熟成庫体制
マルスウイスキーの本坊酒造の「2蒸溜所・3熟成庫体制」については、少し前にご紹介しました。
『マルスウイスキー/本坊酒造』の「2蒸溜所・3熟成庫」体制!|チャーリー / ウイスキー日記
屋久島エージングセラーには、「長野で蒸溜した原酒」も、「鹿児島・津貫で蒸溜した原酒」もあるわけです。
そして、本坊酒造から「マルス The Y.A.」という商品が発売されています。
■MARS The Y.A.
本坊酒造さんのHPからその商品の概要を、確認してみたいと思います。
屋久島で育まれた原酒のウイスキー、とても魅力的ですね!
■これって、何ウイスキー?
「MARS The Y.A.」は、
・日本でつくられたウイスキー原酒=100%
・すべての原酒=3年以上熟成
なので、日本洋酒酒造組合の定めるところの「ジャパニーズウイスキー」です!
ジャパニーズウイスキーの定義についてはこちら↓
酒税法上の「日本国産ウイスキー」と産地規定《JW定義④:最終回》|チャーリー / ウイスキー日記
そして、「MARS The Y.A.」は
・(鹿児島県)屋久島エージングセラー
の原酒のみでつくられています。
では、この屋久島の気候風土が宿った「MARS The Y.A.」は、シングルモルトウイスキーなのでしょうか?
■ウイスキーの5分類
スコッチウイスキー(≒ジャパニーズウイスキー)は、ブレンドする原酒の構成によって、5つに分けて考えることが一般的です。
この5つの区分を明確に説明できれば、相当なウイスキーツウです!
■コラム「ブレンデットモルトウイスキー」
※1=ブレンデッドモルトウイスキーは、以前には、ヴァッテッドモルトウイスキーというネーミングでした。
2009年に英国で、
という法改正があったので、今はブレンデッドモルトという表現を使うことが一般的です。
■コラム「シングルモルトウイスキー」
※2=シングルモルトウイスキーも、いくつかの異なる味わいのモルト原酒をブレンドしてつくります!
1つの樽からボトリングした商品は、シングルカスク・ウイスキーと言います。
通常、1つのモルト蒸溜所でも、複数の味わいのモルト原酒をつくり分けています。(狙った味わいの違い)
一方で、木樽で長期間熟成させますから1樽1樽に味わいの個体差が出ます。(狙っていない味わいの違い)
それら個性豊かなモルト原酒をブレンドすることで、1つのシングルモルトの商品に仕上げます。
例えば色々な原酒をブレンドしている「シングルモルト山崎12年」のキーモルトは、パンチョン樽原酒です。
一方で「シングルモルト山崎18年」は、山崎12年とはまた別の味わいを目指して、山崎蒸溜所の複数のモルト原酒をブレンドしてつくります。キーモルトは、シェリー樽原酒です。
そのため、
のです!
それは目指している味わい、レシピが違うからです。
詳しくは↓
山崎12年は、山崎18年になれない!|チャーリー / ウイスキー日記
■次回へ続くます!
「MARS The Y.A.」は、このウイスキーの5分類の中で、何に該当するのでしょうか?
次回に続きます!
※タイトル写真は屋久島の縄文杉です。