ザ・商社と夏目雅子
先日、NHKの深夜枠で放送していたので、ご覧になった方も多いかと思う。今から50年ほど前には10大総合商社の一角を担っていた安宅産業の破綻をモデルにした経済ドラマ。
原作は松本清張、演出和田勉、脚本大野靖子、主演山崎務という大御所が揃い、海外ロケも敢行された大作。
お話のキーマンになる社主を演ずる13代片岡仁左衛門、野心的ピアニストを演じて清純派から脱皮した夏目雅子、主演のライバル的存在佐藤慶、メインバンク頭取佐分利信等々と多彩な配役も見どころの肉厚な作品となっている。
注目は13代仁左衛門の重厚な凄味ある演技と夏目雅子の野生味あふれた存在感だろう。夏目雅子はここをステップに「鬼龍院花子の生涯」へと進むが、数年後に白血病で他界。正にスケールの大きい女優になろうとしていたところだったので随分惜しまれた。ザ商社ではやや粗削りなところもあったが、生きていたらどんな女優になっただろうか。残念。