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FSから評価されるISになるための2つの要因

僕は今の会社(SmartHR)でFSプレーヤーを2年半、FSマネジメントを3年、ISマネジメントを1年半やっているのですが、その中で感じた「FSから評価されるIS」についてまとめてみました。
これは何かのデータに基づいているわけではなく、あくまで僕個人が感じたものです。ただ、のべ100人ぐらいと会話してふつふつとまとまったものですので、そんなに実態とずれていないかなという気がします。

はじめに:なぜISはFSから評価された方がよいか

FSがISを評価されると書くと、「ISはFSの下なのか!?」と思う人がいるかもですが、そういう話ではありません。THE MODELにおいて横の組織は全て連携しているので、特にFSのために商談をトスアップするISが、そこの評価を気にするのは至極当然だと思っています。

FSから評価されると、直接的なメリットが2つあります。

1つ目は、評価されている方が仕事がしやすいからです。ちょっとした無理が通りやすくなったり、失注商談の連携もしやすくなります。FSしか持っていない情報をもらえたりもします。「FSとISの連携が重要だ」と思うなら、評価されない手はないです。
評価というとちょっと大袈裟ですね。「認められる」に言い換えてもいいかも。FSからすごいやつだと認められてるISの方が仕事がしやすいです。

2つ目は、単純に嬉しいです。数字の達成だけで仕事のやりがいを感じられる人は少なくて、チームの誰かだったり顧客や社会に影響を与えてこそ、やりがいを感じられます。そんな中で、自分の仕事が身近なFSに評価されるのは単純に嬉しいです。

ポイントは2つあるが、それぞれ性質が違う:「衛生要因」と「動機付け要因」

僕が思うに、FSに評価されるために重要なのは2つあります。ただ、それぞれ特徴があって「良過ぎてもちょっと良くても評価が変わらないけど、悪いと評価がどこまでも下がる」ものと、「悪すぎてもちょっと悪くても評価が変わらないけど、良いとどこまでも上がる」ものがあります。

それはハーズバーグの動機付け理論の「衛生要因」「動付づけ要因」と似ています。

衛生要因は、不満足要因とも呼ばれる「整備されていないと社員が不満を感じる」ものの「整備していても満足につながるわけでない」要素です。

動機付け要因は、促進要因とも呼ばれる「ないからといってすぐに不満が出るものではない」ものの「あればあるほど仕事に前向きになる」要素です。

衛生要因:オペレーションが正しく行われているかどうか

僕がFSにいたときに、FSから出る一番の不満がこれでした。ISの認識よりも、この点をFSはよく見ている印象です。
具体的には、以下のような点が不満としてよく出ていました。

  • ヒアリング項目に漏れが多いがその理由が説明されていない

  • 事前にチームで決めている商談化基準を満たしていないが、その説明がされていない

  • 顧客とのやり取りに間違いがある(ウェブMTGのURLを送っていない等)

  • 直前の商談獲得なのにその連絡をFSに伝えておらず、カレンダー登録のみで済ませている

  • 商談獲得後、商談実施までに日数が十分空いているのに直前までヒアリング情報を記入しない

これ、一つ一つはとても小さなことで、「しょうもなっ!」と思うものばかりです。ただ、FSからするとこういった基本的なことをできていないのに商談の質とか顧客満足を語られるとイラッとしたりします。
そのため、こういった基礎的なことで自分の評価が下がるのはとてももったいないです。

もしかすると、IS的には「少しでも多くの商談を取るためにまとめてオペレーションを行いたい」という思いがあって、それで対応が遅れたりミスが出るのかもしれません。でも、それってFSからすると、見えないしあんまり自分に関係ないと思っちゃうんですよね。

また、上記の2つの項目で「説明されていない」とありますが、「基準から外れたら即アウト」と思っているFSは結構少ない気がします。それよりも「説明がない」ことを不満に思います。

動機付け要因:自分の思いを伝えられているか

先程の衛生要因は「最低限のレベル」ですが、じゃあその上でどうしたらISとして評価されるか?
FSが聞けないことを聞けるIS?フェーズが上がりやすい商談のみをトスアップできるIS?
どちらも間違いではないです。しかし、前者は能力による問題が大きいので、とても難しいです。後者は「フェーズが上がりやすい商談のみ厳選する」と結局はトスアップが減ることになるので、自分のISとしての成果が下がり、あまり過度に行うのはおすすめはできません。

じゃあ何をするとよいか?それは「自分の思いを伝える」ことです。

自分の思いっていうととてもファジーなんですが、これは「なぜ自分が商談を設定しようと思ったか」であり、「こういうふうになれば商談が良いものになる」という思いです。おそらく誰でもできるし、意外とできていない人が多いものです。

多くのIS組織にはヒアリング項目が定められていますが、商談はお客さんがいるものですので、「ヒアリングをもれなく聞けばOK」とは限りません。そこにはヒアリング項目だけでは足りない、お客さんとの会話の中で得た無数の情報や、ISが調べる中で感じ取ったできごとがあります。そういったことを伝えると、淡白な項目だけでは分からない受注までの道筋が見えてきます。

逆に、自分の思いを伝えられていないと、FSが「なんでこんな意味のない商談を取ったんだよ」と思うケースもあります。また、ISなら多くの人が一度はやってしまったことがあるだろう「この商談、たぶんとっても厳しいよなぁ…でもKPI的に取らないとまずいから商談獲得しよう」というのを、振り返るきっかけにもなります。なぜかというと、自分の思いを伝えられない時点で、その商談が意味がないものってことを自分で分かっているケースが多いからです。

そのため、FSから見てすごいISは、とにかくコミュニケーションが多いです。その上で商談を取るだけではなく、自分がどんな思いで取って、それをどうしてほしいかを伝えることができます。

たびたび耳にする「ISが営業活動の司令塔になる」第一歩は、まさにここから始まると思います。



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