自転車での車道走行は危険?安全に通行するコツを状況別に紹介!
スポーツサイクルに乗る人なら「自転車は車道を通る」と定められていることは、知っている人が多いでしょう。
しかしいざ車道を走行すると、車道は怖いと感じるサイクリストもいるのではないでしょうか。
実際、車道では車から、歩道では歩行者から邪魔者扱いされる場面が多く、自転車に乗っていると肩身が狭いと感じるかもしれません。
この記事では、自転車で車道を安全かつ快適に走行したいという方にむけて、実践的なコツを状況別に解説していきます。
ルールを知らないと大事故や交通違反に繋がるので、この記事を参考に安全に走行するコツをマスターしてください。
Q.自転車での車道走行が怖くなくなるコツは?
車道では、車から何かと邪魔者扱いされる自転車。でも熟練者ほど車への配慮が上手で、結果的に安全に走行できます。
自転車が車道を安全に走るために、どんなことを心がけるとよいのでしょうか?ここからは、車道走行熟練者のコツを紹介します。
信号待ちでは車を先に行かせる
信号待ちで車より前で待っていて、信号が青に変わるとすぐに追い越される。それを信号の度に繰り返していませんか?
しかし、信号が青に変わった時に、車を先に行かせる方が安全です。信号待ちの間も、車の後ろで待つ方がよいでしょう。何度も車に追い越させない方が、お互いのストレスを軽減でき、トラブルを回避できます。
ただし、車の左折に巻き込まれないように注意しましょう。
無理なすり抜けはしないのはもちろんのこと、同じ車と長く並走状態にならないように配慮するとよいでしょう。
目立つ工夫で存在をアピールする
自転車に乗るとき、車から見えにくい服装をしていませんか?
車から目に付きやすい服装をすると安全性が高まることは、言うまでもないでしょう。できればダークカラーより明るい色・蛍光色、普段ではちょっと派手に感じるくらいの服装の方が、車からの視認性が高まります。
ただ、おしゃれなお店でランチするのに派手過ぎる服装は嫌だという人もいるでしょう。その場合は、程よく反射素材の入った服を選んだり、上から反射タスキを着けたりなどの工夫をするとよいかもしれません。
また、夕方は車から自転車が見つけにくくなります。早めにライトを点灯し、テールライトも点けて、存在感をアピールするとより安全です。
車に対して意思表示をする
「交差点で対向右折車が来る、自分は直進したいんだけど…」自転車で車道を走ると、このようなケースもあるでしょう。
自転車には原付のようにウィンカーやストップランプがなく、パッシングもできません。車の運転者が、自転車の動きを予測できないために事故が起きることもあります。
そんな時、手信号などのボディランゲージで意思を伝えることで、安全性が高まります。
できれば手信号で「停止」「右折」「左折」「行かせて」など合図できるとスムーズです。さらに車に対し「お先にどうぞ」まで伝えられれば、もう中級者以上といえるでしょう。
もし「手信号を知らない」「ハンドルから手を放す余裕がない」という場合には、ドライバーに会釈やアイコンタクトするだけでも効果的です。自分にできる方法で、車に対し何らかの意思表示をすることが重要です。
カメラを装着するという方法もある
近頃サイクリストが、ヘルメットにカメラを装着している姿をよく見かけます。
SNS・ブログ投稿のためかもしれませんが、実はヘルメットのカメラが、幅寄せの抑止力になっているといいます。
言ってみればドライブレコーダーの自転車版で、車にすれば「撮られてる」と思い、自転車に嫌がらせができなくなるということです。
ヘルメットに装着できる小型タイプのカメラは10,000円台でも入手できます。できればハンドルよりもヘルメットに装着する方が、車に対するアピールになるでしょう。
余談ですが、筆者は通勤用にヘルメットライトを着けるようになってから、幅寄せされる回数が減りました(笑)。おそらくライトをカメラと勘違いされるようです。
交通量の少ないアクセス方法を考える
「まだ半分も来ていないのに、車を避けてばかりで疲れた、帰りたい…」そんな経験はありませんか?
目的地を決め、ルートを考える際に、なるべく交通量の少ないルートを検索しておくとよいでしょう。
車が多い道や交差点は、使わないに越したことはありません。路上駐車の多い道路も避けましょう。道路の様子や交差点の形状は、ストリートビューでもある程度確認できます。
交通量の多い道路を迂回をすれば、多少遠回りになっても、結果的に少ない疲労で目的地へ行けるでしょう。
また、もし自転車を専用袋に入れて電車に載せられれば、ストレスフリーでもっと遠くへ行けるでしょう。サイクリングに慣れてきたら、次のステップとして自転車を電車で運ぶ「輪行」もおすすめします。
Q.自転車が車道を安全に走るためには?
自転車に対する道路交通法を知っていても、実際は「この場合どうすればよいの?」と迷う場面も多いでしょう。
そこで、自転車で車道を走っているとよく迷うパターンについて、状況別に実際の法規と具体的な対処法を解説します。
左折レーンがあるなら直進でも左折レーンから
「直進したいのに、左側が左折専用レーンになってしまう。直進レーンに移るべき?」このような経験はありませんか?
左折専用レーンのある交差点で直進する場合ですが、道路の左側、つまり直進レーンではなく左折専用レーンを通行しなければなりません。
ただし、その際に左折車に巻き込まれる危険があります。待っても左折車が途切れなければ、ここでの直進は諦め、左折するしかないでしょう。
快適なサイクリングのためには、このような交差点はルートに入れない方が無難です。
二段階右折の待機場所がなければ無理に右折しない
「二段階右折したいけど、自転車が待機できる場所がない。小回り右折するわけにもいかないし…」これも、自転車ならではの悩みでしょう。
自転車で交差点を右折する際は、原則小回り右折は禁止のため、二段階右折をしなければなりません。
しかし実際には、左路肩に待機場所がない交差点もあるでしょう。特にT字路で右折待ちをすると、直進車と接触しそうになることもしばしば。
右折待機場所のない交差点では、右折を諦め直進する判断も、時には必要です。待機場所がない交差点の中には、二段階右折が禁止の所もあるため注意しましょう。
このような交差点も、事前にルートから外しておくと、サイクリング中のストレスを減らせます。
逆走自転車との出会いがしらでは後方確認をする
「ちゃんと左側を走っているのに、正面から自転車が!」こんなヒヤリハット体験はありませんか?
2013年12月の「改正道路交通法」で、自転車の右側通行が禁止されました。それにもかかわらず、まだまだ逆走自転車が多い実情です。
逆走自転車との出会いがしらでは、なるべく早く気付き、いつでも止まれるよう減速するしかありません。同時に、右へ避けても車に轢かれないよう、後方の確認をしましょう。
この場合は自分に非がないとはいえ、不毛な怪我をしないよう、自衛に努めるしかないでしょう。
駐車車両のドアの開閉に注意する
「路上駐車が多くて怖い。ドアが開くかもしれないし…」これも街中でよく遭遇するケースでしょう。
駐車車両の脇を通る際には、ドアが開いてもぶつからないよう、右に大きく避けなければなりませんが、その際後ろから来た車に轢かれる危険があります。
駐車車両を見つけたら、早めに後方の安全確認をしましょう。もし車が来ていたら、駐車車両の手前で停止してやり過ごすことです。
Q.「自転車は車道」っていつから?
車道で怖い思いをしたばっかりに、ついつい自転車で歩道を通ってしまう人もいるかもしれません。
しかし道路交通法に「自転車は車道を通行」とある以上、賛否両論あるとはいえルールは守らねばなりません。
ここから道路交通法について、自転車は車道と決められた時期や、自転車の車道通行の例外を解説します。
明治時代から「自転車は車道」と決まっている
「自転車は車道」と決まったのはいつから?と疑問に思う人もいるでしょう。
実は、日本に自転車が導入された明治時代から、自転車の通る場所は車道と決まっていたのです。意外ですね。
では、逆になぜ自転車が歩道を通行するようになったのでしょうか?その発端は、日本の高度成長期の交通戦争にあります。
昭和30年代からの交通量激増で、自転車が車に巻き込まれる事故が増えました。そこで昭和45年に、インフラが整備されるまでの暫定措置として、自転車の歩道走行が一部認められます。
その後、いつしか自転車で歩道を通ることが習慣化し、同時に「車道は車だけが通るもの」という認識ができてしまいました。
ところが近年になり、自転車側のマナーの低下や事故が目立つようになっています。
そのため平成20年の改正道路交通法では、自転車は歩道でなく車道を通るよう改めて周知・徹底。違反者には罰則を設けました。
その後も平成29年に、2回以上の違反者には安全運転講習が科されるなど、自転車での違反が厳罰化されています。
たびたび改正される道路交通法についていくのは大変ですが、自転車で安全に走るために、必要なルールは押さえておきましょう。
車道走行の例外も紹介
それでは、道路交通法上は自転車で絶対に歩道を通ってはいけないのでしょうか?
実は、自転車での歩道通行が認められる例外もあるため、紹介します。
自転車通行可の歩道・高齢者や子供による運転・車道通行が明らかに危険な場合に限り、例外として自転車で歩道を通ることも認められています。そのかわり上記以外での歩道通行は、罰則の対象です。
また、例外により自転車で歩道を通る場合にも「歩道の車道寄りを走行」「歩行者の妨げとなる場合は一時停止」というルールがあり、違反すると罰則があると覚えておきましょう。
こう考えると、歩行者や段差が多く快適でない歩道を走るメリットは、あまりないかもしれません。それよりも、環境の良い車道を選んで走る方が得策といえそうです。
コツさえ掴めば、自転車でも車道を怖い思いをせず走れる!
サイクリングの醍醐味は、日常から開放され、爽快な気分になれること。でも車道を走り慣れない内は、怖い思い出ばかりが残ってしまうかもしれません。
どんな達人でもはじめは、自転車で車道を走るのが怖かったはずです。それでも、これまで紹介したコツを押さえ、以前より安全・快適に走れるようになっています。
たとえ今は車道が怖くても、あなたも自信がついてくれば、サイクリングがもっと楽しくなるでしょう。そのときはサイクリスト初心者卒業ですね。
これからも安全走行で自転車を楽しみましょう!
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