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理想の父子関係
「画竜点睛を欠く」という言葉があります。
完璧なものほど綻(ほころ)びが目立つということです。
さて、私と父が彼の晩年に及んでも良好な関係ではないことは私を直接知る人なら知っていると思います。
つね日頃から、男の子が父親と良好な関係を持ちながら育つということはいったいどんな感じなのだろう?と思いを馳せ、年齢を問わず友人たちに父親との関係性を質問したり観察したりしています。
考え方の基準が自分の生い立ち以外ないので、父親との関係が良好な人のほうが少ないのだろうと思っていましたら、まったくそのようなことはなくて大抵の友人たちは父親と良い関係の中で成長してきていると知りうらやましく、そして不思議に思います。
友人の中の一人の逸話で小学校高学年の「性に目覚める時期」の話が有ってそのときに彼の父親は週刊プレイボーイをぽいっと彼の部屋に投げ入れてくれたのだそうです。
なんと言う進歩的な考えの持ち主でしょうか。
私は自前で買ったプレイボーイを父親に没収されたという過去を持ちます。
その後彼の父親は毎週のように週刊プレイボーイの新刊を買い続けては、子供部屋へ届けてくれたそうです。
しかし、その友人は最後にこんなことを言うのです。
「完璧な父親だったと思うけど、よけいなことを言ったなぁと思うね。『あんまりやりすぎるなよ』って。あの一言だけは余計だったと今でも思うねぇ。」
なんと言う厳しい息子なのでしょう。
私から見れば、完璧な父親としての行為ですし、その言葉だってユーモアととれないこともないじゃ有りませんか。私なら笑っちゃうし愛します。
もし、私の父親が彼の親になったとしたら、きっと彼は一日たりとも耐えられなかったと思います。
私にも似たようなエピソードが有ります。
二十歳を過ぎたくらいの頃のあるとき、母親が私にこういいました。
「ヤスヒサのこと、『あいつは案外良いヤツなのかもしれない』ってお父さんが言っていたわよ。」ものすごくうれしかった記憶が有ります。
『画竜点睛を欠く』とはまったく逆の意味で、私は父親のその一言だけで父親とつながっているような気がします。
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10年ほど前の記事に加筆し再掲しました。話の筋が通らないので父親と私が仲違いしているように書いていますが、それは当時の話で4年ほど前に仲直りする事ができました。間に合ってよかったです。