「ハン・ソロ」を観てきた。(ネタバレ)
ひさしぶりにnote限定のテキストを書きます。
昨日観てきた「ハン・ソロ」の内容についてどうしても物申したいのですが、他のSNSでは書けないことが多いからです。
ざっくりと言えば、ネタバレです。
僕は映画レビューでのネタバレを好みません。
過去にもしてはいません。
しかし、この映画は言いたいことがネタバレじゃないと言えないのです。
ここから先は、これから「ハン・ソロ」をみようとしている人は読まないでください。
そして、すでに「ハン・ソロ」をご覧になった方は、ぜひご意見を聞かせて欲しいのです。
1.似てない問題
最後まで役者がハン・ソロに見えてきませんでした。
これは今回最も由々しき問題でした。
皆さんはいかがだったでしょうか?
僕は小学6年生の時にエピソード4を観た生涯スターウォーズ罹患者なので、現代の若者とは全く比較にならないとは思いますが、ハン・ソロといえばハリソン・フォード。ハリソン・フォードといえば、ハン・ソロと言うくらい激しい刷り込みが入った世代なのです。
それが、どうでしょう?
今回の主人公はハリソン・フォードに顔も演技的にも似せようとしていない。
ハン・ソロは表情や仕草に非常にわかりやすいポイントを持ったキャラクターです。
そういったポイントをあざとくても良いから踏襲させるべきだった。
根本的に、作りが似ていない。
欧米人の描く似顔絵があまり似ていると思ったことがありません。
もしかすると、日本人と欧米人は「似ていると思うポイント」が違うのかもしれません。
しかし、今回の役者はかわいそうなほど似ていません。
今作に抜擢されたことで、キャリアに傷がつくんじゃないかと思うほどに。
ストーリー上で考えてもあと10年以内にエピソード4のあのかっこいいハン・ソロになっていないといけないのです。
全く見えてきません。
ハン・ソロ役者の似てなさをカバーするように、輪をかけてランド・カルリジアンの役者も初代ランドに似ても似つかない人を抜擢しています。
初代ランドは体格のいい、がっちりとした遊び人風なのに、今回のランドは痩せた童貞です。(童貞差別者ではありません)(役柄の差異のお話です)
10年後にあのランドになるのか?いや、ならない。
いったいディズニーの配役担当は何を考えてキャスティングをしたのでしょうか?
ここまで読まれて、僕のエピソード4至上主義っぷりに嫌になった方もいらっしゃると思います。
それはすみませんでした。
しかし、40年の想いが詰まった作品の前日譚です。
やろうと思えばどんな映像でも作れる技術も予算もある新作です。
期待するなという方が無理があります。
2.テンポが悪い
プロットも難ありだと思いますが、単純に話運びのテンポ(編集か)が下手くそだと思いました。
現代で、こんな映画作るか?くらいに思う点が多々ありました。
コ・パイロットのドロイドL3が死んで、ランドも負傷、操縦桿を握ることができるのはハンしかいない。
その際のハンの判断の遅いこと。
意図的だとしたら、その意図がわかりません。
非常にイライラとする、モタついた場面でした。
キーラが、恩義を感じている上司を殺害するシーン。
胸に刃物を突き立て床に倒すのですが、その死体を足元に置いたままキーラとハンはキスをします。このテンポも悪い。
ただ、テンポが悪いだけではありません。
「死んだと思われた上司が最後の力を振り絞り、背後からキーラに襲いかかる」
そんな画角と演出だったのです。
観客は「キーラ、うしろ!」と全員思ったと思います。
しかし、死んだ上司は絶命したまんま。
あの妙な含みをもたせたシーンは一体なんだったのでしょうか?
観客はいらぬ心配をさせられ、スカされました。
列車強奪のシーン。
単純に冗長でした。5分以内で済む話です。長い!
映画の冒頭。
お約束の「a long time ago in a galaxy far far away」テロップの後、観客の期待値がマックスになった後の一番大事な「入り」が下手くそすぎました。
ここで、映画の全貌がある程度予測がついたというのも悲しかったです。
3.こんなんじゃない感
これはかなりエゴが入ってきてしまう部分ですが、感じてしまったものは仕方がないので書きます。
ハン・ソロはもっと屈託のないキャラクターという設定だったので、あまり暗い育ちにして欲しくなかった。
予告編などの断片的な情報から、もっとジェットコースタームービーのようなものをイメージしていた。
結構後からジワジワ来るのが、ハン・ソロの名付け親問題です。
帝国軍の木っ端役人が名付け親だぁ・・・?
ハァ・・・。ため息しか出ません。
こういう、とても歴史的に意味のある設定を、ルーカスの意思に関係なくどんどん新造していく感じ、このヤダ味が濃縮されたシーンでした。
実際全米興行収入も惨敗なのは、その辺だと思うよ。
「インディ・ジョーンズ」シリーズのような、底抜けに明るい冒険譚と「ハリー・ポッター」シリーズのような主人公の成長譚で良かったと思う。
あんな暗い人間模様などは知りたくなかったし、そもそもフィクションなわけだし、作るならもっとマシな設定にしろと思う。
もっといい映画作れただろうに・・・。
何よりも残念なのは、今までそれほどスターウォーズファンでは無い家族を「次回作は面白いから!」と説得して劇場へ連れて行き、毎回「それほどでも無い」という感想をいただいていて、敗北感があったのだが、今回ばかりは「手放しで楽しめる底抜けに楽しい娯楽映画なはずだから!」と連れて行った家族がかなり序盤でため息やあくびをし始めたときには、本当に消えてしまいたかった。
「俺のスターウォーズのスタッフは、もっとできる奴らじゃなかったのか?」
と裏切られたような気さえした。
ため息・・・。
4.説明不足感
スターウォーズシリーズにありがちな話なのですが、過去作ファンへの「わかるよね?」的な目配せ感があまりに強いと、初めて見た観客は「?」となることですね。
でも、それはまあいいとしましょう。
言語化が難しいのですが、本作の中でハンとランドが重要な「賭け」をします。
そのゲームが、地球で言うところの「ポーカー」なのですが、宇宙にはポーカーはありませんので、別の名称のゲームになっています。でも、まんまポーカーなんです。
そのゲームシーンが長い。
長い上に、ゲーム上の架空の専門用をを使うのが、面白く無い。と言うか、つまらない。
知らないし!って何度も思いました。
あれなら、じゃんけんで決めた方がいい。
それくらい、見ていて恥ずかしくなりました。
ただただ、役者の演技が下手なだけだったのかもしれません。
あと、時系列的にこの後登場するキャラクターに似ているキャラクターがたくさん出ていましたが、それもなんだかな感が大きかったです。
エピソード4まで後10年以内という設定なので、似ているではなくて「そのまんま」のキャラクターでもよかったんじゃ無いか?と思ったりしました。
要するに、そういうのも雑音になって集中できないポイントになるのです。
まだまだいい足りていない部分があると思います。
加筆するかもしれません。
あ、ダースモールがホログラフィの中でライトセーバーを抜くところ。
違和感あったなぁ。
良かった点。
・音楽。久しぶりにフックのある、オリジナルのそれでいてスターウォーズ感のあるテーマ曲でした。劇中の音楽の扱いも良かった。
・チューバッカ。いいヤツでした。笑
・序盤で死んじゃう4本腕があるパイロットのCGは史上最高の出来。(個人の感想)
以上。
反論、異論受け付けます。
ただ、僕の感想を変えようとしても、難しいと思います。
「他にもこんな美点があるよ」くらいでしょうかね。受け入れるとしても。
ただ、皆さんの感想は聞きたいと思っています。
お読みくださりありがとうございました。