視線誘導4種&3大アドバイス
※全体の目次はコチラ
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今回の内容
コマワリ/セリフ/絵の配置をする際、「どこに何を置いたらええねん?」っていうのを読者の視線の動きの種類から解説。
あと、おまけとして「藍葉さん(漫画メソッドを教えてくれた人)が100人以上の漫画相談を受けた中で、一番言ったアドバイス3つ」も面白かったので最後に書いておきます。
視線誘導4種
つまり日本の漫画には「右上→左下」という視線の重力が働いているのですが、「じゃあ、どんな視線の動きがあるのか?」をご紹介していきます。
下に行くほど「作品をざっと読む(まだ興味ない)人」の読み方という感じ。
では、各解説。
ダブル逆Z読み
S字読み
N字読み
スラッシュ(斜め)読み
編集者は「ダブル逆Z読み&スラッシュ読み」をするように教えられるらしいです。つまり「しっかり作品を読み解く精読」と「初見読者の気持ちで読む」の2通りって感じですね。
(昔、編集者だった人からの情報。そうじゃない編集者もいるかもです)
「どれかにだけに対応した描き方」よりも「N字の人とスラッシュの人両方に対応した描き方」みたいなことができると、より間口の広い漫画になるかと思います。
3大アドバイス
オマケのオマケなのでささーっと。参考程度にー。
(コメントは私の所感)
①「表現を差別しよう」
前回の記事で話したようなお話。
メリハリがないと何の話か読者に分かりづらくなりますし、作者自身も分かってない場合はさらにぼんやりしちゃいます。
「相手に届いて欲しい」「楽しんでもらいたい」と思うなら、気にしてみるとより伝わりやすくなると思います。
②「出来事が先。説明は後」
もしあなたが描いているのが何かの教科書なら、順序立てた説明は正解です。ただ、漫画の場合は必ずしもそうではありません。
漫画のようなエンタメ作品の場合、「面白くない」思われた瞬間に本を閉じられてしまう運命にあります。
「まだ面白いか分からないなー」という読者に対して「そんなに面白くない説明」を先に描いてしまうと、「後半にある超面白い展開」にたどり着く前に閉じられてしまうかもしれません。
それを防ぐため、先に「興味を引くような出来事」を見せて読者を惹きつけることを意識してみましょう。「お、面白いかも」と思ってくれた読者は次のページもめくってくれます。
「読者のMP(めくりたいポイント)がゼロになるとゲームオーバー(本を閉じられる)」「そうならないようにMP管理をする」みたいなイメージを持つと良いかもです。
③「読者が読む理由を作ろう」
これは超シンプル。
読者は楽しみたいから漫画を読むので、読者が楽しめるポイント(読者の読む理由)をしっかり配置しましょう、というお話。
編集者が「可愛い女の子描いてくださいよー」とか「もっとギャグ入れてくださいよー」というのにはそれなりの理由があるので、あまりバカにしすぎない方がいいかもしれません。
(……もちろん、その編集者が信頼できるかは、常に目を光らせとく必要はあるとは思います)
"読む理由"がなくてもあなたのファンや知り合いなら無条件で読んでくれるかもしれませんが(それぞれ「知り合いである」「ファンである」が読む理由になっている)、もし、多くの人に読んでもらいたいと思うなら、「描きたい!」に加えて「こうやれば楽しんでもらえる」も気にしてみるといいかもです。
心配しなくても、多くの場合、”あなたの描きたい面白いもの”は少し着色された程度で揺らぐことはないと思います。