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創作エネルギーの把握:OKグラム編
※全体の目次はコチラ
↓配信版
今日の内容
己の創作エネルギーを把握する『OKグラム』
目的
自分の漫画を描く際の”ガソリン”がどこから供給されているのか把握する
”現時点”の自分が「どういうスタンスで創作に取り組んでいるのか」を把握することで、作品と創作エンジンとのミスマッチを防ぐのが主な目的です。
OKグラムとは?
”自分”と”他者”をどう捉えているか?による、創作スタイルを把握するためのツール
もとは性格診断とかに使われていたのをアレンジしたもので、「自分/I'm」「他者/You're」の2つに対して、「OK」か「NOT OK」かで4タイプに分類します。
「OK」だと対象を肯定的に捉えていて、「NOT OK」だと否定的にとらえている、といった感じ。
以下からは4タイプごとの個別の解説。
「自分はどのタイプなのか?」を確認するために
・スタンス
・作品例
・「面白かったです!」への反応
「どうすれば良くなる?」の方針として
・必要とされること
が4タイプごとにまとめてあります。
①エクスタシー型
▼スタンス
→『I'm OK, You're OK』
▼作品例
→血界戦線、東京グール、ヘルシング
▼「面白かったです!」への反応
→「だよね!」
▼必要とされること
→恥を捨てること
・「私〇〇好きなんです!みんなも好きだよね!いえーい!」といった感じで、好きや萌えが原動力となる型。
・作者が恥ずかしがっちゃうと作品が中途半端になるため、恥を捨てて思いっきり書くのが重要になってくる。
②コーチング型
▼スタンス
→『I'm OK, You're NOT OK』
▼作品例
→島本和彦、藤田和日郎、尾田栄一郎
▼「面白かったです!」への反応
→「だろ!!」
▼必要とされること
→伝えたい事&説得力
・「みんなは〇〇って言うけど、自分は〇〇だと思う!」といった、主張したい事や伝えたいことが原動力となる型。
・なので、何を伝えたいのかはっきりさせるということと、相手の考えを「なるほど!」と変えさせるほどの説得力が必要になってくる。
③リアリティ/ノンバイアス型
▼スタンス
→『I'm NOT OK, You're NOT OK』
▼作品例
→五十嵐大介、市川春子、藤本タツキ、エッセイ漫画
▼「面白かったです!」への反応
→「あ、はい」
▼必要とされること
→リアリティ、描写力、切り取る力
バイアス/偏りがあまりなく「ありのままを描写したい」というところが原動力となる型。
なので、現実を切り取る力とそれを描く描写力が必要になってくる。
④サービス型
▼スタンス
→『I'm NOT OK, You're OK』
▼作品例
→カグヤ様は告らせたい、ネギま、よつばと
▼「面白かったです!」への反応
→「よかったです!」
▼必要とされること
→努力、リサーチ力
読者に喜んでもらいたい/他人のために何かをしたい、といったところが原動力となる型。
相手に喜んでもらう必要があるので、今求められているもののリサーチや、それに合わせる努力が重要となる。(いや、他の型が努力しなくていいみたいな意味じゃないですけどね)
以上がOKグラムの各タイプ解説でした。
ちなみに、上記の創作エネルギー4タイプは「原動力が複数ある」ということは普通にあり得ます。
あくまで「どこに一番エネルギーがあるのか?」を見極めるための指標だと思ってください。
右回りの法則
…で、このOKグラムなんですけど、もちろん固定というわけではなく作家の成長によって変化していきます。
それが『右回りの法則』。
OKグラムは、その人の成長や考えの変化によって「①エクスタシー型→②コーチング型→③リアリティ型→④サービス型」の右回りで推移していくといった特徴を持っていて、他にも以下のような特徴があります。
・成長していく(経験値/インプットが増える)と右回りに進む
・この周回を螺旋階段的に重ねていくと作品の厚みが増していく
・ゲームスキルに例えると「①~④の型を1周すると次のレベルがアンロックされる」みたいなイメージ
・「①エクスタシー型から③リアリティ型」みたいな一足飛びはだいぶ難しい
※文章だと中々説明しづらいので、よければ配信のその部分を聞いてみてください。
…という感じで『OKグラム編』は以上です!
次は「読者はこのように作品に惹かれファンになる」みたいな部分の解説、『入口→道→深部』の話をする予定。
※配信後のちょい足し
「なぜ右回りに推移していくのか?」について、以下のようにも説明できるかな?と思って少し書き足し。
①『I'm OK, You're OK』→自他に疑問を持っていない状態
②『I'm OK, You're NOT OK』→自分の外側に疑問を持つ(拒絶する)
③『I'm NOT OK, You're NOT OK』→疑問を己にも向け、フラットになる
④『I'm NOT OK, You're OK』→他者を尊重する
⑤『I'm OK, You're OK』→その上で自分のやりたいことをやる
といった感じで、自他を疑ったり拒絶したり、受け入れたり尊重したりっていう人間の成長と関わってるのかなぁと、ちょっと思って描いてみました。