青さが嫌だった
青春くそったれ。
風で制服のスカートが揺れた。揺れるな。
たくさんの教科書。
制定カバンが持ちにくい。そのせいで余計に重たい。
静かな一時間目。
うるさくなる三時間目。
注意する先生。
騒いでいた生徒たちが言葉なしで目を合わせて舌を出した。
青春くそったれ。
廊下の壁に身を任せながら話す女子二人。
青春くそったれ。
眠気の午後。授業が終わればチャイムと共に消えゆく。
強い足音は部活動に向かう人が奏でる。
青春くそったれ。
重たい足音は私が発する。
渡り廊下で話す男女。
青春くそったれ。
青春くそったれ。
青春くそったれ。
カバンが重たい。
大人くそったれ。
軽量薄型のノートパソコンを買ったのに。なんで?
大人くそったれ。
前から制服姿の女の子が歩いてきた。
彼女は空を見上げて舌打ちをした。
あの頃の私のように。
ヒールの足音で自分の声をかき消しながら、すれ違う彼女に言った。
「それが青春」
青春もどってこい。
青春もどってこい。
青春もどってこない。