30才。職歴2年。9年間働いたことがないというのを雇った結果。
あれから数日が経ちました。
もう限界だと思ってからこっち、毎日『今日は何が起きるんだ?』と思いながら出勤しておりますが、不思議なことにその後、なんとか無事に業務を終えることが出来る日が続いております。って、それが普通なんだけど(笑)。
が、たまにシフトが重なって顔を合わす上司は、相変わらず青白い顔で疲れ切った様子。
早番の布陣もなかなかなのですが、実は先月から入ってきた遅番の新人がこれまた強烈で、上司、この子に振り回されているようなのです。
30才。
社会人経験は2年間のアパレル勤務のみ。
この9年くらいは無職。
なっかなかでしょ?この経歴聞いただけで。
履歴書の住所は施設から10分程度の近隣なのですが、なぜか履歴書の通勤時間に「5時間半」と書かれていたらしく。それ聞いたバアサンなんかは、
「どこからか飛行機に乗ってくんだかね。」
と。
その上、最初っからおかしな条件を言ってきた。
「月・水・金か火・木・土で休みが欲しい。土日のどっちかは休みが欲しい。」
って。
いやいやいや、だったらよそ行け。
年中無休の老人ホームで、そんな休日の取り方出来るかって。
その話聞いて、まさか採らないだろうと思ってたんだけど、
「いや、貴重な人材だからとりあえず試用期間あるし、試しに見てみろってマネージャーが言うんだよ。」
と上司がため息交じりで。
何が貴重かって、その子、実態を知らないもんだから、
「早番でも遅番でも入れます。」
と面接でマネージャーに言ってたらしい。
もし仮にそれが可能であれば、確かにどこでも入れるオールラウンダーになるわけだが、ね。
それを聞いたバアサン、
「その子が入ってくれたら、私もちょっとシフト減らせるかしら?♪」
と浮足立ってましたが、ワタシは上司に言いましたよ。
「その子、絶対早番に入れないでください。そうなったら辞めます。」
そんな都合のいい話があるわけない。
今でさえ調理補助のサポートをしている異常事態なのに、この上人を教育しながらできるような状況じゃない。
正直、早番と遅番の仕事のレベルは月とスッポン。朝から帰るまで、のんびりしてる暇なんてワタシでさえ一瞬もないのに、そんな子が勤められるわけがない。
厳しいかもしれないけど、ワタシ自身を守るためにも絶対に譲れないと思った。
それに、ど~~~~~~~~~考えても怪しい臭いしかしない。
どうやら独身のようだし。
なのに9年間無職って、どういう人生模様なわけ??????
と。
いうワタシの予感は大筋で的中したらしい。
まずその子。
数が数えられないんだって( ゚Д゚)。
最初聞いた時、どういうこと?と意味がわからなかったのですが、ようするに、毎回毎回、食器の数を間違えて出してるんだっていうんです。
「とにかく最初にちゃんとした数を出しなさいって、何度も何度も言ってんだけど間違えるんだよ。もう数が数えられないとしか思えなくて。」
遅番に関して言えば、もう入居者の数は38個と決まっているのだからそれだけ確実に出せばいいだけの話なのに、それが一か月たってもどうにも直せないんだって。
しかも最近に至っては上司が注意しても、
「間違えてません!ちゃんと数出しました!」
と譲らないんだって。すげぇな、おい。
そして、その子。
もんのすごい方向音痴なんだって。
彼女の自宅から歩いて10分圏内の今の職場。
なのに近隣のこと全然わかんないんだって言うんだと。
なんと最寄り駅周辺のこともちんぷんかんぷんだったんだと。
だから、初日は駅まで上司が迎えに行ったんだっての( `ー´)ノ。
何?その好待遇。
どんだけなんだよ?と思ってたんだけど更なる逸話を聞かされた。
それはもう彼女が勤めだして2週間は経った頃。上司がいつものように愚痴りだした。
「・・・はぁ。。。昨日なんてさぁ。一人でおやつの下膳やらせてみたら、入口出たところで右左きょきょろ見てて。。。結局逆の方行こうとしてさぁ。。。外に出たらよくわかんなくなっちゃうみたいでさぁ。」
またも謎なんだけど、どゆこと?
行く棟間違えたってこと?
2週間経って、何度も行ってるのに?それも覚えらんないの???
いやいや、仕事の覚えが悪いとかのレベチだな、それ。
「まぁ夜は暗くなるから、とは思うんだけどさぁ。」
そんなんあるかぁ!!!
いや、ぶったまげたね。
そこまでの逸材だったとは。
ほんと、「絶対早番禁止令」出しといて良かったよ。
そんな話を聞いていたもんだから、自分も出来る限り午前中の仕事を巻き巻きでやりこなして、出来るだけ夜の作業も進めるだけ進めるようにしていた。
けどそんなくらいじゃ彼女の仕事のフォローは足りないらしい。なんせ何をやらせてもトロいんだと。
「とにかく終わらないんだよ。も~~~~~参ったよ。」
と、最初は笑って聞いてたけど、日々日々上司の顔色が悪くなっていくのが見て取れて。
人数の少ない職場なだけに、たった一人でもそういうのがいると途端に全員の負担が大きくなる。
直接関わってる上司の具合はどんどん悪くなっていってるし、もう一人、その子と一緒のシフトになる50才男子調理員も、
「マジで終わんねぇんすよ。早く辞めてくんねぇかなぁ!」
とこないだこぼしていた。
関わりのないワタシも夜の仕事を負担することで、時間めいっぱい動かねばならず、やっぱり影響を受けている。
だが、本人社会人経験がほとんどないが故に、周りにどれだけの迷惑をかけてるのかも気づかず、こないだ上司に、
「土日休みにしてもらえませんか?」
と直訴したらしい。土日のどっちかじゃなく、土日両日だと。
とんだ野郎だね。まったく。
まぁけど、それを聞いた上司、
「それじゃここでは働けないから。」
と言い渡して、ちょっと辞めてくれるの期待してるらしい。あはは。
やっぱり面接担当したあのバカは、なんでも入れりゃあいいとでも思ってんのかね。
ほんっと、いい迷惑だっつうの。