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再び琵琶湖へ

前回の記事の続きです。

島に別れを告げます。

遠くに見える波頭は、白兎が跳ねるよう。
兎の姿を見たいと、何度も目を凝らしました。
刈り取った後の麦を焼く煙だそうです。
島から真っ直ぐ伸びる大きな矢印。
これがそうかはわからないけれど、私にとっての波兎、かな。

竹生島への旅の記事を書いている時に、万城目学の「偉大なる、しゅららぼん」が、琵琶湖と竹生島を舞台にしているとannonさんが教えてくださいました。
まもなく読了しますが、著者は、琵琶湖と竹生島をよく知っている人なのだろうと思える描写が、随所に見られました。
そんな箇所の一つをご紹介して、旅を終えたいと思います。

 たっぷりと水を湛え、ただ青く横たわっていた。石走の町は木々に隠れて見えない。人が造ったものは何も見えない。琵琶湖だけが見える。あまりに大きすぎて、某洋とすら感じられる。
 朝の陽を受け、湖面は神々しいほどに光り輝き、青い空の向こうに、対岸の比良の山々が連なっていた。空は晴れ渡っているのに、山々の姿はかすんで見える。少しずつ夏の気配が訪れていることを、その風景は教えてくれていた。

万城目学「偉大なる、しゅららぼん」集英社

最後に
annonさん、麦畑を見せてくれてありがとう。
巳白さん、竹生島に誘ってくれてありがとう。

noteに誘われての旅は、とても心に残るものでした。


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