鳥が舞い降りるところ
前回の記事では、「不」の字取り上げました。
天に向かって鳥が飛んでいき、下りてこないのが「不」。
ですが、鳥が地面に降り立つ漢字もちゃんとあるのです。
前回もご紹介した「不」の解字を、もう一度見てみましょう。
「不」の反対は「至」だそうです。
「至」を諸橋大漢和辞典で見てみました。
地面を表す「一」と、降りてくる鳥の形を組み合わせたのが「至」。
飛んでいた鳥が地面に降り立つ。
そこから派生して、及ぶ、届く、という意味も持つようになりました。
至がつく熟語で思いついた言葉が「必至」「至言」。
ずいぶん極端な言葉だと思うけれど、これしか思い浮かばないから仕方がありません
大空を飛び回っていた鳥が、降り立つ大地。
日々の葛藤の中で、辿り着くべくして辿り着いた境地。
選び抜かれた言葉が指し示す真実。
広い空間を飛び回り、降り立つべき地を見つけた。
「至」はそんな意味を持つ漢字のように思います。
ちょうど一ヶ月前に、以下の記事でご紹介した個展が、昨日終了しました。
最終日に、ようやく会場に訪れる機会に恵まれました。
祇園囃子が街中を流れる、暑くエネルギッシュな京都でしたが、この一角だけが清涼感に包まれているような、居心地の良い空間でした。
同じ画家さんが描かれたとは思えないほどの、多彩な世界観。
その中で一貫して流れる、絵と描かれた対象物に対して真摯に向き合う姿勢。
画家さんと、彼と支え合い、伴走する、友人との仲睦まじい様子。
行ってよかった!
個展会場に降り立った鳥が、次の空に向かって飛び、新しい地に降り立つのを楽しみに待ちたいと思います。今度は、私の友人も一緒に飛翔し、舞い降りるのではないか、と、勝手に楽しい想像もしています。
最後になりましたが、noteの案内を見て、会場に足を運んでくださった方がいたと、画家の譲原嵩文さんからお伺いしました。来てくださった皆様、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?