安野光雅との再会
今日は「安野光雅さんは、空想と好奇心の先生だった」という、何ともタイトルだけでわくわくする講演会を聞いていた。
高松市美術館では「安野光雅 空想と風景 絵本原画の魅力」という特別展を行っています。
その関連イベントです。
話をしてくださったのは映像作家の辻川浩一郎さんです。
4歳の頃から安野光雅の絵本を愛読してて、その世界観に多大な影響を受けて、自身の作品にも大きく反映されている方です。
もうひとりはキュレイターでアートライターの林綾野さんです。
幼少期より安野光雅に魅了され、今回の展示も企画された方だそうです。
そんな生粋の安野光雅イズムに触れてきた、そんなおふたりがリードする講演会でした。
で、私は、その肝心の安野光雅さんという作家を全く知りませんでした。
「いや、そんなら何で行ったん!?」という話になろうかと思います。
えぇ、私も思います。何で知らない作家の講演会に行っているんだ、って。
最初は勘違いからでして……その前の企画展示がコンテンポラリーアートだったので、この講演会もその関連イベントだと思っていました。
しかし、どうもそうではないらしいと分かっても、チラシの絵が素敵で気になって気になって仕方がなくなってしまったんですね。
自分でもかなり珍しい講演会の参加の仕方だったな、と思います。
講演会自体は安野光雅さんを知らない私でも充分に楽しめました。
楽しめましたし、話を聞いていたら「あれ?この作家さん、知っている」という事に気が付きました。
「あいうえおの本」とか「ABCの本」とか遠い記憶の中にありました。
いつ、どこで、読んだかという事は覚えていません。
でも、あの捻じれた木の感じとか、知っている。
何だか遠い昔、遊んだ記憶のある友達に出会ったような不思議な感覚でした。
講演は辻村さんが映像作家さんなだけあって、映像の解説をしながら安野さんの世界観を説明していくというものでした。
様々な映像作品があり、Youtubeとかにもあります。
こんな感じの演奏と映像がマッチして、凄く素朴で素直で、綺麗な世界観です。
今回の講演の中で
「絵」と「映像」それぞれが持つ面白さ
見る世界が変わることにより、見える新しい世界
「何かがある」という気配の面白さ
を感じることができました。
あと、音楽と映像がリンクするのを見ながら、身体表現にできたら面白そうだなぁ……とか思ってみたり。
「踊る」というよりも「動く」に近い感じ、うまく言葉にならないけれど。
もっと考えすぎず、素直に、好奇心を持って作品作りをしたいな、と改めて思いました。
好奇心を枯らさずに、新しい水をこれからも探し求めたい。
こうやって、全く興味がなかったジャンルに触れることによる発見は、とってもありがたいなと思う。