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subarasikiai
35 心の支え
母の実家に行った日
実は今までで一番不調だったように思う。
ラーメンを一口食べたが、
口にしたのは一日を通してほぼそれだけ。
ほとんどの時間、目を瞑り
念願の実家に到着し祖父(母の父親)が話しかけてもほぼ無言。
【このまま弱って亡くなるのではないか】
ここ最近で一番、死を感じた日だった。
そろそろ別れの時が来るのか、覚悟しなければならないなと心がざわついた。
実家に帰っている期間、遠距離となっていた彼に現状を伝えた。
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母は彼に会ったことがない。
それ故、以前から「ちゃぴおの彼に会ってみたいなぁ」とよく言われていた。
彼には母の状態に対する不安を口にしたが正直、不安な気持ちを聞いてもらいたいだけだった。
だから、話もできない、寝たきりの、ましてや明日死ぬかもしれない、そんな状態の母に会おうとしてくれるなんて思いもしなかった。
「どんな状態でも、会うことが大事だと思うんだ」
そう言って、彼は急遽新幹線で来てくれることになった。