【歌い手編28】ベルカント唱法の発声法を教えて その3(音感向上のコツと揺らぎ 編)
今さら聞けない歌い手お悩みあるある28
歌を歌っている時に何気に出てしまう揺らぎ、意識的の人もいれば無意識の人もいます。この違いは何でしょうか、またこの揺れている声にはいくつかの種類があります、またこれらはどういう働きのあるものなのか、また習得出来るものなのか謎のままにしている方が多いと思います、今回は音感向上への音取りのコツと揺らぎについてご紹介していきます。
1.音取りのコツ
ベルカント唱法では、音取りは2つの要因を意識すると上手く取れます
1.これから出そうとする音や音の流れをあらかじめ頭の中に鳴らす訓練をしてから発声する
2.音や音の流れに乗った歌詞のイメージを実際に音に変換できるかという身体的な能力
なぜこの話を最初にしたかと言いますと、実はトレモロなどは収縮筋などの影響で的確に音を取れずに、音が外れてしまう原因にもなるからです。つまり揺らぎには心地よいものと不快なものがあり、心地よいものは脱力した状態で自然な筋肉の調整により無意識で起こってくるものです。なので歌い手を志す方は、まず必ず頭の中に音を思い描くトレーニングをすることが必須になってきます。音取りの方法はこちらの記事が非常にオススメです。まずは単音から挑戦してみて下さい。
音感強化練習⇨【歌い手編10】音感を強化する方法が知りたい
2.ビブラート トレモロ 揺れ声の違い
2-1.ビブラート
ビブラートはこの三つの中で最も良い発声のことを指します、中身の無い曲でも活力を与え、たちまち息が吹きかえる技術(原文ママ)です。これによって滑らかなフレーズを歌えるようにもなります。しかし実はこれは身体の機能が正しく機能して正しい音程で発声した時に起きるもので不自然な音程の変化があると起きません、ベルカント唱法ではビブラートの練習は禁じており、自然な正しい音程で発声をする事によってのみ規則性のある揺らぎ(毎秒約6回半)が生じてきます。バイオリンがまっすぐ音を伸ばした時の様な規則性のある揺らぎがこのビブラートにあたります
2-2.トレモロ
トレモロは聞いた瞬間にビブラートと区別できます、動きの速い規則性(毎秒約8回)のない揺らぎによって聴く人に不快感を与えます。この原因は喉声による歌唱で筋肉の干渉や圧迫があり舌や顎が一緒に動いているのが特徴です。この解決法はベルカント唱法の基礎である『母音の純化』と『2声区の分離』による訓練が必要です。この状態では余計な力が入っているのでビブラートはいつまで経っても現れてきません。ビブラートは健全な筋肉の調整によるものでトレモロは筋肉の干渉によるものです
2-3.揺れ声
揺れ声は揺れの周期(毎秒約4回)にムラがありピッチ(音程)の変動もある特徴の声の種類です。音の強弱には関係がない点でトレモロと同じでビブラート違う点になります。ビブラートは動きが完全に均一で揺れ幅は強弱に支配されていて、トレモロは不規則な動きで原因は筋肉の圧迫にあります。揺れ声はピッチの変動がゆっくりしていて大きく、声を酷使したり無理やり発声していることから起こります。
2-3-1.揺れ声の矯正
揺れ声の矯正は簡単に修正できます、原因が筋肉の圧迫による音量の無理に上げているのが原因なので、『"脱力して"声を"押し出す"感覚から"支える"感覚を意識』、また弱い方の声区が原因なので(男性はファルセット、女性は胸声)を強化していきます。
ファルセットの出し方⇨【歌い手編12】ファルセットの強化方法が知りたい
チェストの出し方⇩
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参考文献:ベル・カント唱法―その原理と実践 単行本 – 1986/12/1