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サプリメント

がんと診断される直前は、いつもだるくて疲れていて、寝ても疲れが抜けないままの重い我が身を引きづって働いていた。ぎりぎりに職場について席についてから始業時間に朝礼をしたときに頭が働きだし、ようやくそこで一日が始まる感じ。ビタミンCやらオルニチンやらなんやらとにかく色々試してはとっかえひっかえ必ずいつも何か飲んでいた。手頃なものからお高いもの、飲み切る頃には、これも対して他のものと変わらないじゃない、とまた他を探して飲む繰り返し。即効性を求める時にはドリンク剤一気飲み。その分頑張れたけど後に結局どっと疲れが出る。
がんと診断されて治療が始まると、抗がん剤って強い薬だし、飲み薬の飲み合わせとか大変なんじゃないかと不安だったが、意外とそうでもなくて、今のその症状をこじらせるくらいなら医者にかかって薬を飲んで治したほうがいいと私の主治医は言う。これは明らかにいつもと違うしヤバいぞというときはもちろん主治医に電話して指示を仰ぐけど、それ以外は気になることがあったらかかりつけの先生に病気のこと説明して診てもらってね、と言われる。この説明が面倒で、説明したらしたで、主治医がいるならその医師に診てもらうべきで、こちらの判断では薬は一切処方できない。きっぱり。という経験もある。幸いその時はコロナのおかげで電話診療ということで、行かずに電話で済んだ。私はかかりつけの病院だと思ってたけど、向こうはかかりつけの患者ではないということか。いやいや。婦人科の病気の治療中に内科に来られても、下手な判断はできないという超正論で超真面目な先生だったのだ。 
少し話が逸れた。それで、どんな飲み薬だろうと効けば駆使して治療を乗り切っていくわけだが、治療中は本当に色んな症状が出る。症状なのか副作用なのか非常にわかりにくいのだが、つまり薬の副作用に薬が出る。なんだかよくわからないが辛さが軽くなるなら仕方ない。色んな症状に色んな薬がでて、それのどれが自分は効くかもわからない。初めて飲む薬だったらまずは効き目がわからないから、何日か飲んでその薬の効き目の様子を見ることになる。前はデトックスとか悪いものを排出しそうなサプリメントも飲んだが、下痢が最高潮の時にデトックスなんていったら必要なものまで何もかも出ていくんじゃないかとか、今飲んでる薬の効き目に影響して、薬の判断を誤ったりしたら嫌だなと考えたら全く飲みたくなくなった。ということで、今はサプリメントを全く飲まない。療養して、食事を3食主食も一緒に無理なく食べられるだけ食べて、主治医に処方してもらった薬をしっかり飲み、よく寝てよく食べてよく出すことで充分だ。私の場合、基本にある大切なものをすっ飛ばしてサプリメントを取っていたから、ドブに捨てたようなものだ。サプリメントって法律上、食品だもんね。サプリメントを否定しているわけではなく、サプリメントが万能だと思い込んでいた自分の話。手に入りやすいし、生活に取り入れやすいしね。でも、知識があって摂取できてる人って案外少ないんじゃないかと思う。知識を持って、納得して摂取するものであって欲しいなと今更ながら思う。
ドラッグストアで誰でも買える某製薬会社のオレンジの錠剤は、なんだか調子がいい気がして結構長く続けて飲んでいた。何年か飲んでいたと思う。なんとなくもういいかと、やめてしばらくした時に、夫が、あれ、飲んでる時いつもニンニク臭かったよね。と言った。もっと早く言って欲しかった。

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