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京都のお稲荷さんで起こった不思議体験②

前回の記事はこちらです。

前回までのあらすじ

京都旅行で蚕ノ社(木嶋神社)を訪れたところ、なぜかそこにあるお稲荷さん(椿丘大明神)に強烈に惹かれてしまったzoo。とりあえずまずは本殿を参拝しようとそこを後にするが…

本殿を 参拝しようと 思ったが(五七五)

ということで本殿に向かおうとしたのですが、やはり参道にはお祭りの準備の打ち合わせで地域の方々が集まっていて、しかもさっきよりも人が増えていました。
ちょっと気が引けたのですが「せっかく来たのだから」と意を決して本殿に向かい、参拝をしました。
ただ地域の方々もかわるがわる本殿に挨拶をされていたのでじっくりと手を合わせることはできず、そそくさと終了と相成りました。「もしかして本当は歓迎されてないのかなあ」なんていう考えが頭にチラつきはじめます。

三柱鳥居のことが思い出せなくなる

振り返ると本当に意味がわからないのですが、私が木嶋神社に来たのは三柱鳥居を見るためです。が、本殿に参拝を終えた時点で私の頭から三柱鳥居のことはすっかり消え去っていました。
「え、もう参拝終わっちゃった…」とは思い、周辺に見るところがないかを確認したのですが、特に何も見つけられず(本当に謎)、お祭りの準備が始まっていたので本殿の近くに長居するわけにもいかないと思い、引き返すことにしました。

そうするとまたあのお稲荷さんの前を通ります。
怖いから今回は何もせず帰ろうと思っていましたが、本殿への参拝があまりにも呆気なさすぎたので、「せっかくなのでこちらにもご挨拶するかな」という気持ちが固まりました。

ただ、改めてお稲荷さんを見るとやっぱりものすごい冷気?霊気?に気圧されてしまい気持ちが揺らいでしまったこと、そしてお財布に入れていたお賽銭のお札(どうでもいい情報:最近、お賽銭をぜんぶお札にするようにしてる)が大きいものしかなかったので、両替しようと思い、一旦神社を出て近くのコンビニに向かうことにしました。

蘇った記憶

コンビニに入ると、私は「そういえば三柱鳥居見てないじゃん!おみくじも引いてない!」ということを思い出しました(ホラー)
蚕ノ社でおみくじを引いてる人のブログを見て楽しみにしてたのです。それなのにあそこに行ったら忘れてしまった。そんなことってある?
(現実世界とは空気がまったく違う、やっぱりあそこは普通じゃない空間なんだ…。そしてあのお稲荷さんなに?やばくない?)
飲み物を買ってお札を崩した後、店内をうろうろしながらネットであのお稲荷さんのことを改めて調べました(ごめんなさい)。

詳細は割愛しますが、古来からある由緒正しいお稲荷さんであることがわかりました。記事を書かれている方によって感じ方は様々ですが、いくつか結構なパワースポットだと書かれている記事があり、その描写には共感しかなかったです。

戻るか帰るか迷いましたが、なんとなく何もせずに帰った方が後々何か起こりそうな気がして「絶対に三柱鳥居を見て、お稲荷さんにも挨拶する」と心に決め、私は再び神社に戻ることにしました。

やっぱり見つからない三柱鳥居

神社に戻ると、お祭りの準備の人はさっきよりも増えていました。
(やっぱり歓迎されてない?いやでもあきらめない!!!)
そう思い再度本殿に向かいましたが、本殿の周りの人も増えていて、部外者である自分がウロウロするのははばかられる雰囲気でした。

さっきコンビニで見たブログを思いだし、三柱鳥居のある場所を探そうとしたのですがどうしても見つけられず(今思えば地域の方に聞けばよかったのに、そういう発想にもならなかった…)、数分そのあたりを見て回ったのですが、結論、あきらめることにしました。
残念ですが、またの機会を狙うこととします。

眷属と葉っぱ

ということで(?)(もしかして今日の本番はこっちなのでは…)と思いながら私は椿丘大明神に向かいました。
近づくたびに心臓がドキドキして、足が重くなって、手には冷や汗が滲んで、何度も逃げようと思いました。そんな気持ちになるのなら帰ればいいのにと思うかもしれませんが、不思議と自分の中に帰るという選択肢はなかったです。

いよいよ意を決して入り口の2匹の狐の像の正面に立ちます。

奥から流れてくるものすごい霊気。つめたく切り裂くようなそれに耐えられず、私は思わず両手で自分の身体を抱きしめました。

そのとき私はなぜか今までの短い人生の中で起こったしんどいことを次々に思い出していました。

例えば、働きすぎて心身の調子を崩してメンタルクリニックに行ったり、会社員が合わなすぎて独立しようと決めたり、大好きな家族を失ったり、いろんなことで怒られたり、仕事でミスをして客先に謝罪に行ったり、信用していた人に裏切られたり。

不幸自慢をしたいわけではありませんが、どれも起こった時は不安や悲しみ、怒りでいっぱいで、「この先どうすればいいんだろう/どうなってしまうんだろう」というある種の恐れを感じていました。

ただ、今この椿丘大明神の前で感じている恐怖はこれまで感じたなかでダントツでした。
恐怖っていうか、畏怖ですね。

昔話で、山の神様にあった村人が命からがら逃げ出した、みたいな描写があると思うんですが、あれってこういう感情なんだな…ということがよくわかりました。
いままでの人生で恐怖だと思っていたことは屁でも無い、というか、(あ、これワンチャン死ぬかも♡)という気持ちになりました、ええ、まじで。

(やっぱり逃げようかな…)
怖すぎて鳥居の方をチラ見しながらそう思っていたら、どこからか一羽の鴉が飛んできて、私の隣にやってきました。

そして「どうする?」って感じで私のほうを見たのです。少なくとも私にはそんなふうに見えました。

※前回も書きましたが、私はそのとき神社の鴉は眷属なので不吉なサインではない、という話を聞いたことがあったのでこれはGOサインだ、と解釈していたのですが正直違ったらオワリです😂

(ヒュウ!これはミラクル!!!!よし、行こう)←単純
アホな私は背中を押されたと思い前に進み出しましたが、やっぱり圧が凄すぎて狐の像を超えた小さな橋に差し掛かったところで足が止まってしまいました。

というか余談ですが、橋がかかっているということは周りに水路があるのですが、溜まっている水が全く動いてなくて、「ここ時空ちゃうやんけ…」とナチュラルに思いました。

(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいいいい!!!!!やっぱり無理や、いや本当に冷やかしじゃないんですけど無理無理無理いいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!あばばばばばばばば!!!!!!)

脳内は本当にジョジョや銀魂みたいな口調で叫び倒しながら半狂乱まっしぐらでした。
やばいどうしよう、しぬ、お母さん、天国にいる大好きなばあば、じいじ、おじさんおばさん一同ほんとごめん、あたい結婚もせずふわふわスピスピ生きてたら好奇心で命落とすかも😭

そんなふうに思っていたら、なんと、

目の前の橋の上に、どこからか葉っぱが一枚、はらりと落ちてきました。
※無風状態☆

(あ、これは行かないとあかんやつや…)

突然組長とかに呼び出された末端舎弟の気持ちって、多分こんな感じなんだろうな。
静かにそう悟りながら、私は椿丘大明神の奥の祠に向かって歩を進めるのでした。

次回に続きます!

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