酷暑に聴こうシューゲイザー
90年代初頭にイギリスで巻き起こったムーブメントのシューゲイザー。
エフェクターを用いた轟音ギターサウンドが幾重にも重なり音の荒波の中に幻想的なレイヤーが見える。
〈ノイズ〉の中に〈美しさ〉が混在するという対比と、
〈死〉を感じるほど酷暑の中でも〈キラキラした期待感〉が混在する夏の対比が似てるなぁと思って、夏はシューゲイザーだなぁとなりました。
暑くて死にそうになりながら歩きながらシューゲイザーを爆音で聴くと不思議とその暑さすら快感に変わっていきます。
以下、私の好きなシューゲイザーバンドたち。
【Chapterhouse /whirlpool】
1987年イギリス・レディングで結成されたシューゲイザー黎明期バンド。1990年リリースの1stアルバムのジャケットは美しい猫ちゃん!もうこの時点で好きになります。ジャケ買いしても期待を裏切らない最高に爽やかなシューゲイザーだと思います。
前半はキラキラシャラシャラなレイヤーの美しいサウンドと疾走感のあるメロディーにキュンキュンします。中半からは轟音、不穏なギターの歪みが気持ちいいです。
【Pale saints/the comforts of madness】
イギリス・リーズにて結成されたバンドの1990年リリースの1st。
霊的でイーサリアルって感じ?実験的な予測不可能な展開が魅力的です。
こちらも猫ジャケ!
【The brother kite/Waiting for the time to be right】
アメリカ・ロードアイランド州で結成されたバンドの2006年リリースの1st。1曲目の朝日のような眩しさにやられました。ジャケ写の通りの音です。シューゲイザーのジャケットってみんな美しいですよね。海に反射する朝日と夕日のまばゆい光の音とUS産軽やかなグッドメロディーなので、ビーチ・ボーイズっぽいと言われたりしてます。
【Boyish/sketch for the 8000 days of moratorium】
“2012年活動開始。都内を中心に活動。音楽性など変わりながらも、浮遊感のある音楽を目指して活動中” とのこと。
確かに音楽性が変わっていってて、1stから3rdまではギターポップ&シューゲイザーっぽいんだけど、それ以降は違う要素を取り入れた感じに変わっていきました。
この2ndを初めて聴いたときはあまりのまぶしさに衝撃を受けて空を仰ぎ見しました。
陰な要素がない陽なシューゲイザーで新緑の中にいるような爽やかな気持ちになります。
タイトル見て、“500日のサマー!?”とか思って好感持ってました。
【Sacoyans/Yomosue】
福岡で活動するバンドの2020年リリースの1st。
今度行く家主のライブゲストなので聴いてみたら、かなり轟音シューゲイズでハマりました。
シューゲイザーのボーカルの声って儚い感じが多いんですけど、こちらのボーカルのSacoyanさんはめちゃくちゃ絞り出すような声を出してて、音の波に消されないで這い上がってくる感じの声にグッときました。
自分は90年代にthe brilliant greenが大好きだったので、ブリグリのあの90年代UKの影響を受けた退廃的な様式美を彷彿させられ嬉しくなりました。
国内にも良いシューゲイザーバンドがもっともっとたくさんいます。ストリーミングでプレイリスト作られてていくらでも聴くことが出来る。ただ、良いとは思うけど好きになるほどの決め手がないのがストリーミングサービスの悩ましいところだなぁ。
ジャケ買いしたり、CDショップの試聴機に入ってるのを聴いて気にいって2、3000円出して買った音楽との出会いは運命のようなもので、自分が選んだっていう責任みたいなものがあったので責任持って好きになったんだと思います。だからいつまで経ってもあの頃の音楽たちが特別に好きなんです。