国際詐欺〜恩師の言葉は嘘か実か〜
ブルガリアの一般内科の指導医としてお世話になったP先生。
英語が堪能で、医学やブルガリアの事、人生観についてとか本当にいろいろなことを教えてくれました。
彼女のような、芯があって正義感のある女医になりたいと思っていました。
私が医師として働き始めたある日。
急にP先生から連絡が届きました。
10年くらい連絡をとっていなかったし、ワクワクしながらメールを開く。
本当の話なのかな?
普通、ブルガリア人に頼むよね?
でもブルガリア人、お金貸せる人いなそう...
頼る人がいないから連絡してきたのかな...
ブルガリア生活初日に寮のブルガリア人女子にお金を騙し取られて、その数日後にお金の無心をされた事がトラウマになっている私。
海外送金するためには手続きも必要だし、とりあえず、1週間待ってもらう事にしました。
この事を出向先の先生たちに相談したら、満場一致で騙されてるよ、絶対にお金は貸さないほうがいい、と言われました。
ものすっごく悩みました。
お金のことと言えど恩師の頼み事。
しかも、お金を貸さなければ甥っ子の足が切断になるかもしれないって...
悩んだ挙句、お金は貸しませんでした。
数日後。
ハッキングされて、メーリスから勝手にメールが送られたんだって。
私がこのメールがハッキングではなく、P先生本人が送ったのではないかと思った理由がある。
甥の膝の怪我の状態を見て、『足を切断ではなく温存したければ、すぐに半月板移植をしたほうがいい』とアドバイスした点だ。
具体的にかつ医療用語が適切に使われすぎているんです。
お金のある人からお金を取る事は悪ではないという考えを持つブルガリア。
10年ぶりのメールがお金についてって悲しいよね。
しかもさ、私がお金を貸さなかったせいで、こどもの足が切断になってるかもしれないじゃん。
そんなこどもはいませんように。