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私は落ちこぼれ医学部留学生

いやいや、P先生言うて全部ストレートに受かって、日本で働いてますやん!って思う人はいるかもしれない。

でも、ブルガリア医学部留学中、私は間違いなく劣等生だった。

英語も何度も何言ってるか分からないとも言われたし、全てが嫌になって授業もサボりにサボりまくってましたしね。

日本の医師国家試験も合格点ドンピシャだったし、運良くギリギリのところを這いつくばってやってきてるだけなんですよ。

こんなやべー留学生でも6年間やり続ければなんとかなるんだなって思って、これから医学部留学にチャレンジする人の励ましになったらいいなと思う。



ブルガリア医学部留学をして、やはり、生活や授業に慣れるという意味で1〜3年生の間が1番キツかった気がします。

試験も、1年前期の生物・物理・化学が1番難しかった!

化学の試験は、先輩たちの怪情報に惑わされて絶対落ちるわ...と絶望していたけれど、苦手な計算問題のやり方を全て先生に聞きに行って、有機化合物の構造式を必死に覚えてなんとかしました。


問題は物理。

高校時代に、ちょっとだけ物理は習ったけど、成績は悲惨そのもの...

日本語でも分からなかったものを、ブルガリアで英語で習うと。

実技クラスの担当教師はアニカという若い先生でした。

彼女は授業では、教材を全く使わない、板書で全て説明を行う先生。

アニカ「ブラブラブラ...コンバルゥション!」

私「!?」

高校時代は物理現象の原理が分かりませんでした。

でも今度は、違う意味で全く何を言っているのか分かりません。

コンバルゥション

そんな単語あったっけ?

帰宅し、アニカが発言した英単語が判明。

convolution /kὰnvəlúːʃən/

ブルガリア語はLが存在せず、Lの代わりに2種類のRの表記が存在します。
Pで表されるラリルレロは発音が巻き舌になるんですよ。

ああ、convolutionの、「v」のとこにアクセントがあって、「l」を巻き舌で発音してるのか。

アニカ、英語にブルガリア語の発音が混じってるってことね...

ただでさえ授業についていけてないのに、ブルガリア訛りの英語を解読する問題にぶち当たるとは思ってもみませんでした...

講義は教授が担当し、講義のたびに教材を配ってくれました。

試験は教材の中の文章から、二択のマルバツ形式の問題が出題され、その正当数が足切りになって、受かれば筆記に進めるよとのこと。



生物、化学もいっぱいいっぱい。



物理の実技の授業は何を言っているか分からないし、苦手意識で手を付けたくないという負のループに突入。



日本語では勉強しないなんて意地を張らず、教材の英文全てをdeeplにぶち込むべきだったのでしょう。



1回目も2回目の試験も、まさかの二択問題で足切り。

生物も化学の試験もなんだかんだ1回目で受かることが出来たので、こんなことになるとは本当に予想外。

この時点で、留年を覚悟しました。
だって2回目の試験で受かれなかった同期も日本人の先輩の話も聞いたことなかったですもん。



3回目の試験は、夏休み明けに持ち越しになり、絶望の中、初帰国を果たしました。
もちろん夏休みも再々試勉強です。



夏休みが開け試験当日、同期は私以外誰もいません。

まさかの、教授室で教授とマンツーマンでの試験...

二択のマルバツ問題が終わり、採点後、筆記に進んでいいよと。
筆記が終わり教授に答案を提出すると、サッと目を通した教授は、私の成績帳に成績を書き込みます。

3



6が最高点で、2が落第。

ぎりっぎり!!

教授「生物物理学は頑張りなさいよ!」

教授に叱られました。

1年生の試験は追試オンパレードでしたね。

もう思い出したくもないです。

学年を経るごとに、慣れもあるのか試験にもすんなり受かれるようになりました。

徐々に成績も上がって6年間の成績の最終アベレージは5.2とかだったと思う。

コツコツ積み上げればしたら意外にどうにかなる。

私の人生、根性論でどうにかしてきた部分が大きいからな。

まさに留年候補からの下剋上ですな。

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