マスコミはマスゴミである事に誇りを持つべき
批判されるマスコミ
近年、色々な事が原因でマスコミ批判が始まって炎上したり鎮火したりを繰り返してる。特に最近はダウンタウン松本さんのスクープをめぐって、スクープした文春を始めとして、報道のされ方についての批判をよく見かけるようになった。片方からの意見だけを取り上げたり、根拠の乏しい記事を掲載したりする。さらに他紙やテレビが取り上げ、コメンテーターがすべて知っているかのようなしたり顔でコメントする姿に腹を立てている。私自身も憤っていた頃があったので、腹が立つ気持ちはよく分かる。
その上で。その上で最近思うところがある。マスコミはそれでいいんじゃないかと。マスコミはマスゴミであってナンボじゃないかと。ちなみに私はマスコミ関係者でも何でもない、一庶民である。この記事はあくまでも冷静に考えて書いたつもりである。
マスコミも売れなきゃ始まらない
多くの人が思うだろう。「マスコミは真実を伝えるべきだ」「マスコミは平等であるべきだ」「マスコミは弱者の味方であるべきだ」と。確かにそうあるのが私も理想だと思う。ただマスコミも聖職者ではない。結局、記事を書いて売るのが仕事であるわけであって、それを求めても答えてくれるかどうかは別問題なのだ。
逆に言えば、売れれば何でも良いのがマスコミだと思う。売れれば嘘だってつく。とは言っても嘘が酷ければ売れなくなるのは目に見えているし、有能な記者も離れていくだろうし、存続のために好きなだけ嘘を書くようなことはしないだろう。
外から見えない事実をあぶり出す
ここまで読んで、そんなのが許されるのかと憤る人もいると思う。確かに嘘の記事を書くのは私も問題があるとは思う。だけど世の中の真実がすべて明らかにするのは難しいし、そういう不明な事件で泣き寝入りしている人もいるのが事実だ。また法律を悪用して他人を脅かす場合もある。そういう人は警察も法律も、合法的に救うのが難しい。
そういう事象があることを世間に広めるのがマスコミの役割だと思う。読者がそこに事件性を感じ、問題が大きくなれば社会が動く。話題になるのが目的なので、真実よりも話を盛ったりして注目を浴びることが大事なのだ。そもそも自分に関係のない事件なんて、ほとんど興味を持たない。「そんなことが世の中であっていいのか」と感心を引かせるのが重要だと思う。
もちろん前に書いた通り、話を盛り過ぎるとオオカミ少年になって信用されなくなったり、有能な記者もいなくなったり、果てには売れない雑誌と化してしまうので、そこの匙加減が腕の見せ所なのだろう。
マスコミが炎上するわけ
とはいえマスコミのスタンスは昔とそれほど変わっていないと思う。むしろ昔に比べてちゃんとした取材を積み重ねてるとさえ感じている。なのになぜマスコミがこれほど炎上するのか。これは世の中の対立構造が「権力者 VS 庶民」から「多数派 VS 少数派」に変わったからではないかと考えている。
昔は地域に政治家、金持ちといった権力者がいて、それに多くの人が従っているという構造だった。つまり少ない権力者が多くの庶民を従えているといった構造だ。20~30年前だと、大物政治家の不祥事が出てマスコミが地元でインタビューしても「先生にはお世話になっているので何も言えません」と語られる映像がマスコミでよく見られた。それだけ権力者の力が強かったということだ。この場合、マスコミがターゲットとするのは権力者であり、庶民は権力者の横行を取り上げるマスコミを称賛していた。というか、最近でも政治がらみのスクープは喜ばれていると思う。
ところが世の中は情報化の流れなどで、権力者が思うように権力をふるえなくなった一方で、多数派(庶民も含む)が権力を握るようになり、昨今ではマイノリティに関する差別が多く語られるようになった。そうすると必然的にマスコミは少数派を支援する動きになるわけだが、多数派庶民はこれが納得できない。ゆえにマスコミが炎上しやすい世の中になったのではないかと妄想している。
マスコミはマスゴミであることに誇りを持て
おそらくジャーナリズム論とかで語られている話なのかもしれないけど、何も知らない私は以上のように考えている。マスコミが利益を目的に記事に何を書こうが自由であるし、それで救われる人もいるかもしれない。一方でその内容について読者、視聴者が厳しい意見や批判を飛ばすのも自由だ。そうやって話題になり、世の中に埋もれた問題があぶり出されるのが大事なのだ。
マスコミはマスゴミと批判されることに誇りを持つ取材、行動をとるべきだと思う。事実かどうかではなく、世に知らしめる内容であるかどうかを見極めて、批判される覚悟を持って送り出す。それがマスコミのあるべき姿だと思う。
最後に一つ。マスコミがなんでも言いたい事を言えるのは、読者が、視聴者が安易に信じたり批判したりしない姿勢が大事だ。せっかく強いものから弱いものを守る仕組みなのに、マスコミの言うことをうのみにしてしまい、世の中が混乱するようなことがあったらマスコミは自由に発言が出来なくなる。権力者だけでなく、マスコミに対しても厳しい目を持つことが大事だなと自戒している。