茶の十徳
「茶の十徳」とは、栂尾(とがのお)高山寺の僧で、日本で初めて茶を栽培した明恵上人が言った言葉です。茶の効用を十の徳としてまとめたのが「茶の十徳」です。茶は薬として日本に入ってきましたので、様々な効用が期待されていたと思います。
茶道としては、茶通箱のお点前の時に、指を動かしながら茶の十徳を唱えます。
一、諸仏加護 茶を喫すれば、仏教の守護により幸福になれる
二、煩悩消除 諸悪の根源たる欲望を断ち切ることができる
三、息災延命 病気することなく、寿命が延びる
四、五臓調和 茶を喫すれば、体が整い、健康になる
五、寿命長遠 寿命が延びるこた
六、天神随心 天の神の心に叶い、随う落ち着いた心となる
七、孝養父母 父母を養い、孝行するようになる
八、睡眠自除 睡魔を追い払ってくれる
九、諸天加護 茶を喫すれば、神様の守護により幸福になれる
十、臨終不乱 死に臨み、少しも惑わず、正念が得られる
十徳には他の項目が入ることもあります。年を重ねるごとに、この十徳をしみじみと感じます。