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好文木(こうぶんぼく)

「好文木」は梅の別名であります。
『東見記』から引用した言葉です。
梅云好文木。故事在晉起居注。晉武好文則梅開、廢學則梅不開。
晋の武帝が学問に親しむと梅の花が開き、学問を怠ると梅花が開かなかったという故事から梅の別名となったものです。
2月は受験シーズン。「好文木」は2月の茶杓銘にはぴったりだと思います。

茨城県水戸市に梅の名所である偕楽園があります。
江戸時代、水戸藩九代藩主・徳川斉昭によって造園されました。
毎年、2月中旬から梅まつりが開催されています。
「偕楽園」の名前には、領内の民と偕(とも)に楽しむ場にしたいと願った斉昭の想いが込められています。この偕楽園の中に「好文亭」という茶室付きの建物があります。武帝の故事にちなみ、斉昭が名付けたということです。

梅にはたくさんの別名があります。
「木の花(このはな)」 「春告草(はるつげぐさ) 」「風待草(かぜまちぐさ)」「初花(はつはな)」 
昔から梅が愛されていたことがうかがえます。昔は花見といったら、桜ではなく梅でした。
梅の花は他のどの花よりも先駆けて咲くことから「花の兄」「花兄(かけい)」とも言われます。「花の弟」はたくさんの花が咲いた後の菊を表します。

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