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近代建築で茶の湯を
「近代建築で茶の湯を」
去る9月24日(日)に横浜市中区にあります地区93年のビルヂングにある茶室で小さな茶会を開催いたしました。
1930年に建築家川崎鉄三の設計で外国人向のアパートメントとして建てられ、現在は一般の居住、オフィス、アトリエなどとしてそれぞれにリノベーションして利用されております。
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『東京・横濱復興建築図集』より
エントランスや階段や廊下は建築当時そのままの形を残し、共有部分には古い電話など、かつての姿を彷彿とさせるものが残っております。
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茶室は持ち主のかたのセンスによる和風モダンな明るい室内で、アート作品でもある信楽や多治見など日本各地の土を使用した土壁を中心に、縁のない畳を配した四畳半小座敷の茶室となっております。
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中華街からもほど近い場所でみなと町横浜でもありますので、道具は中国の作品である青磁の三足茶盤を菓子器に見立て、天目茶碗に茶器は屈輪の中次、古銅写の雷門模様龍耳花入を用いてやや唐物風にまとめてみました。
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古い窓枠の外は港町で、二席の時に仕舞いの挨拶を終えた途端に港から出港の汽笛の大きな音が聞こえてきました。
まさに「みなと横浜」の風情に包まれて、主客共々感動の中でこの茶席を終えることができました。
関東大震災の発生から100年、近代数寄者のひとり原三渓さんが我が身を投げ打って横浜を救った姿に思いを馳せながら、今回発展と変貌の横浜で茶を点てました。またひとつ近代数寄者の足跡を辿ることにもなり、この茶室もまたその様な意味で名席と呼ぶことができます。
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