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「修学旅行は学びが最優先」という誤解

修学旅行がピンチです。2020年ごろから感染症対策として中止や縮小を余儀なくされた修学旅行でしたが,再びピンチに陥っています。それは,旅行費用高騰による縮小です。

旅行会社や宿泊先の人手不足,物価高騰などを理由に旅行代金が大幅に上昇していることが主な原因とされています。とくに地方の学校では,公共交通機関がなく,貸し切りバスでの移動に限られるため,その影響が大きいようです。

縮小の対象となるのは,多くの場合「遊び」にカウントされるコンテンツではないでしょうか?「修学旅行は学びが最優先だから」と意見で,例えばディズニーランドやUSJが1日から午後だけになるとかありそうですよね?

この「修学旅行は学びが最優先」という意見には,誤解があります。「学を修める旅行」と書いてあるのだから正しいように思える主張ですが,「学び=勉強」とは限りませんよね?

学習指導要領の解説では,集団宿泊的行事のねらいを次のように整理しています。

校外の豊かな自然や文化に触れる体験を通して,学校における学習活動を充実発展させる。また,校外における集団活動を通して,教師と生徒,生徒相互の人間的な触れ合いを深め,楽しい思い出をつくることができる。さらに,集団生活の在り方について考え,実践し,互いを思いやり,共に協力し合ったりするなどのよりよい人間関係を形成しようとする態度を育てる(強調部筆者)

『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別活動編』

このように修学旅行を楽しみ,思い出をつくることはねらいの中にあるのです。この冬勉強になった一文でした。

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