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日本人の平均寿命2020

昨年の日本人の平均寿命が発表された。

厚生労働省は7月30日、2020年の日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳となり、ともに過去最高を更新したと発表した。前年に比べ女性は0.30歳、男性は0.22歳延び、それぞれ9年連続のプラスとなった。

日本人の平均寿命が長いのはもはや常識だ。

この平均寿命を歴史的視点から調べてみると,生徒の興味を引くことができるのじゃないだろうか。

1930年の日本人の平均寿命は,男性が44.82歳,女性は46.54歳に過ぎなかった。このころはインフルエンザを原因とする肺・気管支炎が毎年のように死因のトップを占め,次いで胃腸炎と全結核が多かった。また乳幼児死亡率の高さも影響していた。

これらの病気は,その発生する場所と関連付けて考えると,また深い。インフルエンザが蔓延したのは,当初国外へ派遣された軍隊で発生し,また労働環境がわるかった製糸工場などでもみられた。

製糸工場といえば,日本の近代化を支えた産業である。富岡製糸場に代表される日本の近代化遺産は,貧しい農家などから売りに出された娘たちを女工として過酷な労働環境においていた。

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中学社会では,日本の近代化,産業革命などのかげの側面についても学習する。

記事を見て,ふと授業の導入に使えそうだと思ったのでここに記す。

参考文献

小松裕,2009,『日本の歴史 「いのち」と帝国日本 明治時代中期から1920年代』小学館.

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