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パパが1年育休を取ったら、何が変わるのか
子どもたちと過ごせる時間は一瞬である。
このことを改めて感じたのは、1年間の育休を通じて家族で海外へ旅に出たときである。
育休を取ることで見えた家族の大切さや、自分自身が得た多くの気付きについて紹介したい。
そしてパパが育休を取ることが、家族にとってどんな意味を持つのかをここで考えてみたい。
育休を取るべき理由
パパが育休を取ることにはさまざまな利点があるが、特に大切だと感じるのは、子どもの成長を目の当たりにできる貴重な期間をしっかり見守ることができるという点だ。
子どもが1歳になるまでの間、親子の絆を築くには絶好のタイミングであり、育休がその手助けをしてくれる。
「どうせ記憶には残らないでしょ?」という人がたまにいる。
それはある意味正しいかもしれないが、ちょっと誤解をしているのではないだろうか。
子どもと過ごす時間は「記憶」に残すためにあるのではなく、一緒にいる時間を「共有」し、共通の「経験」をすることそのもの意義があるのではいかと私は考えている。
どういうことかというと、例えば生まれたての子どもは、初めはパパやママのことどころか自分は誰なのかという認識すらない。
当然と言えば当然だが、徐々に自分の手足に気付き、パパやママ、兄弟の顔を少しずつ認識していく。
人というのは、大人や子ども関係なく、会う回数や一緒にいる時間が長ければ長いほど、その相手が何者で、どんな人なのかを理解できる。
生まれたばかりの子どもが、少しずつ自分のことをパパとして認識し、私のことを心理的に安全な人であると覚えていくのが見てわかるのである。
朝早くに家を出て、夜遅くに帰ってきて、子どもの顔を見るのはほとんど寝顔ばかりというパパも世間的には多いだろう。
どうしても乳幼児の頃はママの方が接触回数が多いため、パパは元々ディスアドバンテージがある。
日中汗水垂らして仕事をして、愛する我が子の顔を見たくて急いで帰宅するも、既に寝付いた後だったり。
そのような生活スタイルではパパと子どもとの距離が開いてしまう。
だからこそ、しっかり育休を取り、授乳以外で接することができる機会を増やすことで「たまに抱っこしてくれるおっさん」から「パパ」へと子どもに認識させることに大きな意義があると思う。
このタイミングでの子どもとの「絆」は、子どもが成長して大きくなってからもより確かなものになると確信している。
親が子どもとしっかり向き合える期間は、思った以上に短い。
小学校3年生くらいになると、親よりも友達と遊ぶことが増え、思春期になると家族での旅行や外出にも抵抗を感じる子が多い。
この限られた数年を大切にするために、育休を利用する価値は非常に大きいと感じた。
育休中に旅に出るべき理由
育休中には、思い切って旅に出ることを強く、強くお勧めしたい。
私自身も家族と共に1ヶ月間、海外3カ国(タイ、マレーシア、ベトナム)を巡る旅に出かけた。
※詳しくはこちらの過去記事にて
・タイ編
・マレーシア編
・ベトナム編
7歳、4歳、そして0歳9ヶ月の子どもたちにとってこの旅は、ただの観光ではなく、人生の基盤となる大きな経験となった。
異文化の中で新しい人々と触れ合い、目の前に広がる景色や食べ物の違いに驚く姿を見ていると、子どもたちが一歩ずつ成長していくのを実感できた。
上の子どもたちにとっては、言葉の違う相手とも積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢や、環境の変化に適応する力が育まれていることを目の当たりにした。
海外の紙幣を持たせ「ソフトクリーム ワン プリーズ!」と大きな声で言い、外国人の店員さんからアイスを貰うというだけの経験が、今でも子どもたちにとって大きな自身になっている。
0歳児にとって旅をすることはあまり意味がないのではないかという意見もあるかもしれないか、私はそうは思わない。
現にうちの0歳児は、当時寝返りをしてズリ這いを始めたぐらいのタイミングだったが、この旅中にハイハイをマスターし、捕まり立ちをしはじめ、終いには階段を上るという技まで習得した。
日本での生活だけではここまで短期間で一気に成長することはなかっただろう。
旅中での色々な刺激の中で、確実に経験が蓄積され、成長しているのだと実感している。
また、この旅を通じて私たち親も成長したと感じる。
子どもと一緒に新しいことに挑戦することで、柔軟性や忍耐力を養うことができ、家族全体としての団結力も高まった。
育休中の旅は、子どもと親にとっての「共育の場」となり、かけがえのない思い出を作る絶好の機会だ。
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変わったこと
1年間の育休を通じて、家事や育児に積極的に関わるようになった。
パパは授乳以外のすべての家事や育児ができるのであり、はじめは不慣れでもやっていくうちに必ず習得できる。
これにより、ママとの役割分担もスムーズになり、家族のチームワークが向上した。
私の場合は料理スキルが格段に向上した。
日常の中で料理のレパートリーが増えたり、効率よく品数を作れるようになった。
もちろん離乳食も、子の成長に合わせて作れるようになった。
子どもたちとの関係も変わった。
育休前と比べて親子の信頼関係が深まり、日常的なコミュニケーションが増えたことで、家族としての絆が確かなものとなった。
以前より上の子どもたちが「今日学校でこんなことがあってね」とか「幼稚園の○○ちゃんがね…」みたいな会話が増えた。
自分のことを知ってほしい、もっと家族の知らない自分を教えたいというのは、非常に良いことだと思っている。
このような変化は、子どもたちが成長していく上で大切な基盤となるだろう。
また、育休を取ることで、自分自身を見つめ直す時間が持てた。
今後の生き方や子どもの将来について深く考えることができ、特に「大人が楽しく働く姿」を子どもたちに見せたいという目標が生まれた。
「仕事をすることやお金を稼ぐのは楽しいこと」という姿勢を自らが体現し、子どもたちに背中で見せていきたいと強く思った。
この経験は、育休がなければ得られなかった大きな収穫だと感じる。
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まとめ
育休は親にとって、そして子どもにとっても特別な時間を過ごす絶好のチャンスである。
私にとって、育休はただの「休暇」では決してなく、家族や自分自身の成長を促す「挑戦の場」となった。
特に、育休中に旅に出ることで、家族全員が新たな成長を遂げ、かけがえのない思い出と経験を共有することができた。
パパやママが育休を取ることの意義は非常に大きく、限られた家族との時間を有意義に過ごすための選択として、ぜひ考えてもらいたい。
育児は参加ではなく協力。
家族は個人プレーではなくチームプレー。
今しかない時間を大切にしよう!