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潔くないが愛おしい
東京配属バンザイ!!
と喜んだのも束の間、正確には東京ではなく"首都圏"配属で、埼玉配属になることが先日判明した。
春から港区の女になります!と言いふらしていた自分を大いに戒めたい。
自宅から埼玉まで通うのは遠い。
これは社会人になってから痛感していることだが、通勤時間の短さは人生の幸福度にものすごく直結する。
つまりリモートワークって本当にバンザイ!
社会人生活をハッピーなものにするため、予定よりも早く実家を出て一人暮らしをはじめることを決意し、部屋探しと並行して自分の荷物の断捨離をすることにした。
わたしは元々どちらかといえば”捨てられない女”で、旅行先のチケットを大事に残しておいたり、小さい頃はお年玉を入れるポチ袋がなぜか大切で、全て集めてしまっておいた。
背伸びして買ったマルジェラの香水は、紙袋と小さなカタログすら捨てがたいし、大事な人(たち)から花束をもらえば、すぐに枯れてしまうお花を残せない代わりに、せめてラッピングのリボンだけでも、、、という気持ちになって、実はリボンを全部箱に入れて取っておいている。
わたしはそうやって思い出をため込む節がある。
だから今回はちゃんと断捨離するぞ!と固く心に誓いを立てゴミ箱と向き合い始めた。
やっぱり思いがけないものがぼろぼろ出てくる。
でも意外にも、わたしは手に取った思い出を、躊躇せずゴミ箱に入れられた。
ふと、これからも飲んでねってドラマチックなお別れをした友人たちの顔が浮かぶ。
遠方に行き、会えなくなる。遠方に行かずとも会える時間が少なくなる。
知らないことが増えていく。きっと今にFacebookで結婚したことを知ったり、知らぬ間に脱サラして世界の果てに飛び立ったりして、旅系Youtuberになった彼を偶然Youtubeで見つける、なんてこともあるのだろう。
ゴミ箱にほいほい物を捨てられるようになったわたしは、LINEの友達も断捨離できてしまうのではないだろうか。
自分の誕生日を祝ってくれる友達も、毎年少しずつ変わっていく。
友達との関係性ってストックではなくフローなのでは?と、これ言い得て妙?とか思いながら考えた。
多分そんなに上手くない。笑
とにかく、時間が経って思い出が色褪せてしまった結果、あの頃は大切だった物たちに対する気持ちが薄れていってしまうことを目の当たりにして、わたしって意外に、”捨てられる女”になったのかも知れんなぁとやんわり思いながらちょっと、悲しくなった。
でも、ピンク色の蛍光ペンを机の中から見つけたとき、わあ~~~これは!!と。
秒で前言撤回の運びとなった。
それはかつて、片想いしていた人からもらった蛍光ペンだった。
もったいなくて全然線引けなかったなとか、席替えのときは必ずこのペンに願掛けしてたな、とか、そもそもなぜこの蛍光ペンをもらったのかは思い出せなかったけれど、世界で一番この蛍光ペンが大切だった時のことを思い出して、なんだかきゅーんとした。
インクが出なくなってもなお、わたしにとってその蛍光ペンは特別だった。
これ、絶対いらないけど、捨てられないな。
うーん、わたしはやっぱり”捨てられない女”なのだろう、と思う。
でも、自分のそういう、潔くない部分がとても愛おしくて、少し好きだなと思いました。