未知の味に出会う ベラルーシ料理のドキドキ
ー食べれば食べるほど引き込まれていくー
この前、東京では初雪が降った。
雪を見ると思い出すのはあのときのベラルーシ料理だ。
・・・
寒い夜だった。
六本木にあるベラルーシ家庭料理のお店「ミンスクの台所」へ向かった。
ベラルーシってなあに?状態だったのだが、どうやらロシアの近くにある国らしい。
(最近は悪いニュースでよく耳にしてしまいますが、、。)
あ、でもベラルーシってたしか美男美女が多い国でも有名だったよね。
そう思って扉を開けたら、なんとも美しさとキュートさを兼ね備えたお姉さんが出迎えてくださった。
(民族衣装もかわいい。)
かわいい装飾が散りばめられた店内は、見てるだけで心が温まる。
メニューを見ながら、気になったものを頼んでいくことに。
まずは前菜。
「毛皮のコートを着たニシン」から。
こちらはなんだかポップなメニュー名だなあと思っていたのだが、どうやら本当にそういう名前の料理らしい。
日本でいうところの何に当たるんだろう?
擬人法を使った食べ物名、、。
うーん、、。
山賊焼きとか?
(長野のスキー場とかで、あったら食べちゃうあの大判の唐揚げ。)
(3日くらい考えてこれしか思いつきませんでした。よく考えたら擬人法ではない気がしてきた。)
「毛皮のコートを着たニシン」にはビーツとニシンとポテトなどが重ねられていた。
私と友だちはまず「ニシンってなんだろうね」というところから始まったのだが、「イワシっぽいやつかな?」という友だちの言葉を鵜呑みにしていたら全く違う味でびっくりした。
ほぼサーモンの味だった。
何これ、おいしい、、。
中にはケッパーのような粒も入っている。
(自信ないけどおそらくケッパー。)
毛皮のコートを着たニシン。
よくわからないけど毛皮のコートを着れるならニシンもあったかくて幸せなんだろうな。
こんな名前をつけるならちゃんと貫き通してほしかったけど、お次は普通に「ピロシキ」
(ピロシキだって訳されてないだけでほんとはねじりハチマキをしたオヤジみたいな意味があるのかもしれないが。)
チキン味とキャベツ味をひとつずつ。
初めて食べるピロシキ。
あったかくて、生地がほどよく分厚くて、パンと呼んでいいのかわからない食感で、どんな小麦料理ともキャラ被りしない食べ物だった。
小麦料理って広いな。
チキン味はあんまりチキンの味がしなかったけど、かわりにきのこがたっぷり入っていて、キャベツ味は酸味のあるピクルスみたいな味がして、どちらも食べ終わるのが惜しくてちびちびと食べていた。
続いては有名なスープ「ボルシチ」
鮮やかなレッド。
キリッとした酸っぱさで、サワークリームがぷかぷか浮かんでいて、中には真っ赤に染まったじゃがいもとほろほろ牛肉のかたまりも入っていて、大満足。
次はラストの「マチャンカ」
(これも一回日本語に訳してみてほしいけど、それって「天ぷら」を英語にしてみてって言ってるようなものなのかな。)
豚肉とソースをクレープにかけて食べるものらしい。
最初クレープというからには生地を広げて中にお肉やソースを入れて包んで手で食べるものなのかと思っていたけど、生地の薄さと中身のゴツさ的にどうやら包むのは無理そうだぞ、、と悟り、ソースをかけてフォークとナイフで食べる方式にした。
(正しいのかはわからない)
ほんのり甘い卵味のクレープに、大きくてやわらかい豚肉と初めて食べる味のソースをたっぷり。
くうう〜〜おいしい!!
・・・
知らないものをたくさん食べた。
私も友だちも、まずくてもいいから未知の味に出会いたいタイプなのだが、ここのメニューはどれも「おいしい未知の味」だった。
かといって、これらのベラルーシ家庭料理がベラルーシ家庭料理の正解の味ではないのかもしれない。
日本人に合うようにちょっとずつ変えられているかもしれない。
でもここは家庭料理のお店だからなんだっていいんだ。
家庭料理に正解も不正解もないはず。
部活後に疲れ果てた状態で家に帰ってきたら、「ごはんですよ〜」って呼ばれてこれが出てくるベラルーシキッズの生活、羨ましいなあ。
心の芯まで温まる寒い季節にぴったりの料理たちだった。
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