日本企業×テニス 考察まとめ
皆さん、こんにちは。
「Change Court」記者のtakableです。
この記事ではテニスと企業についてご紹介していきます。「日本企業とテニスのつながり」に対して、日本の企業とテニスへの注目や貢献を振り返ってご紹介していきます。(2021.02.09現在。ランキングは2022年GS・A終了後のランキング利用)
現在までCCでは、「企業×テニス」の題材で6企業を記載してきました。僕がこのテーマを選んだ理由は、「日本企業はテニスに対してパワーを持っている」ことをお伝えしたかったからです。最後になる今回は「まとめ」と「課題」を考察します。
ギア(ラケット・シューズ・ウェア)
ラケット、シューズ、ウェア全てがヨネックスのC.ルード[8]
テニスをプレーする際に必要となる、ラケット、シューズ、ウェアの3つのアイテム全ての開発・販売を行っている国は、アメリカ、フランス、日本の3カ国です。世界ランキングTOP100の選手が利用しているアイテムを開発・販売している3カ国を今回はギア3国と総称します。
最初に、BIG4の選手が利用しているギアです。4選手12アイテム中、母国メーカーの使用率は2つで16.7%です。日本メーカーも同等の数値になっていいます。
R.フェデラーは、長い期間をナイキのシューズで過ごしましたが、母国のOn(2010年創設)に投資家として加入しシューズの開発やマーケティングを行っています。この影響で2022年の復帰戦からはOnのシューズでの活動に変更していきます。
A.マレーはAMC(アンディー・マレー・カストーレ)という自身の名前がブランドになっていますが、2015年にイギリスのマンチェスターで兄弟が創設したスポーツブランドがカストーレです。2019年にA.マレーが株主となったことで、一気に認知拡散がされたブランドです。
OnとAMCはそれぞれ新興のスポーツブランドですが、選手が母国の地で活躍している企業に投資とマーケティングのアドバイスを行うことで、選手とともに発展している企業です。
BIG4の選手は、自身が広告塔となり、投資やマーケティングなどのサポートが可能です。
次は、TOP10の選手を確認します。10選手30アイム中、母国メーカーの使用率は2つで6.7%です。
ラケットはヘッドのオーストリア、ウェア&シューズはナイキのアメリカとアディダスのドイツがシェア率が多いです。
ここまで、みていくと「あれ?TOP10にもBIG4にもギア3国の選手1人もいないじゃん〜!」となってしまいますね。では、現在TOP100にギア3国の選手が何人いるのか確認します!
※GS・Aではアシックスでしたが、アルテンゴに移行していくと思われます。
フランス9名、アメリカ12名がTOP100に存在し、母国の企業の割合が高いことがわかりました。日本はTOP100に1名でしたので、フランスの9名に合わせて表を作成しました。
結果として、母国メーカー使用率の3カ国平均は42.1%です。母国メーカーのサポートを受けながら成長している選手が半分近くいることがわかりました。表を作成して、アメリカにはアシックスユーザーがいないこと、フランスはナイキユーザーが少ないことに気がつきました。地元の選手たちをサポートしている影響が感じ取れます。
テニスギアは、日本の企業は世界で活躍している選手のサポートができる商品と開発力があります。最近では、望月のプロ転校後の企業が日本企業のヨネックスとアシックスだったことが嬉しかったです。現在の所属はIMGではありますが、錦織のようにSONYや日清など日系企業で世界で活躍している企業がスポンサーになるかもしれません。
選手を応援しながら、テニスギアメーカーを今後も応援です!!!
日本の映像機材(テクノロジー)
SONYのホークアイやテニスのソリューションを先の記事でお伝えしましたが、「カメラ」と「ディスプレイ」も日本製品が存在します。
テニスコート上における技術としては、カメラ・放送(衛星通信)・画面(モニター/ビジョン)があります。これらをカバーしている企業としてSONYを記事に上げました。
SONYの他にも「カメラ」は、CanonやNikonがスポーツに特化したサービスを開発しています。「画面」は、東芝、パナソニック、三菱電機があります。「放送」はABEMA TV、RAKUTEN TV、WOWOWがあり、それぞれ担当するテニスの試合が異なります。
テニスをプレーするシーンを撮影し、視聴者に届けるまでの通信(放送局)、それを映し出す画面、それぞれに世界最高峰の技術力と製品を持つ日本は、テニスを視聴することに関しても、世界基準のサービスを利用することができます。
課題
世界最高峰の「テニスギア」や「映像機材」の開発と販売を行っている日本は、テニスをプレーする上で他国よりもサポートが受けやすい環境にあると思います。
しかしながら、ギア3国のうちアメリカやフランスのように選手が育っていません。その理由は、「スポーツのリテラシー不足」です。
・テニス選手や環境・設備
アメリカやフランスには、TOP選手が拠点とする「アカデミー」があり、「年で複数回のツアー大会」が開催され、「研究施設」への国のバックアップ体制が素晴らしいことがあります。また、欧米はマネジメント会社(エージェンシー)もしっかりしているのが素敵なところです。
・データアナリティクス(ソフトサービスのテクノロジー)
日本はハード製品の開発や販売が素晴らしいのですが、ソフトのサービスがあまりうまくいっていないのが現状です。
日本の放送を見ていても、初心者向けの解説が多く感じますが、欧米は初心者にもわかりやすく解説するのはもちろんですが、解説の際に最先端の機材も利用します。そして、様々なデータ分析を様々な会社や自社で分析解析して、そのデータと選手たちと直接のコミュニケーションで得た情報などにより、解説者でしか知り得ない情報を視聴者に伝えてくれます。
・ブロードキャスティング
今回のGS・Aは24のブロードキャストパートナーによって世界に配信されました。
現地オーストラリアのチャンネル9はコート内の選手インタビューとTV内の解説をJ.クーリエが担当し、L.ヒューイットも解説を行っています。
北・南アメリカ全域をカバーするESPN(ディズニーの子会社)はJ.マッケンロー、J.ブレイクといったアメリカの名選手、ヨーロッパのEuro sportsはM.ビンランデル、T.ヘンマンらのレジェンドに加えて、現役選手ですが足首の故障で出場キャンセルしたC.ルードが選手のインサイトを提供するポジションとして活動しました。
このように、往年のレジェンド、名コーチ、近年まで選手として活躍していた元選手らが解説をしてくれます。
日本では、WOWOWがパートナーとして組んでおり、解説者は下記の方々でした。
日本の放送では、日本語での解説が必須ですが、先の解説者と比べると、聞きたい情報や選手間とのやり取りなど、聴ける範囲が少し狭く見えてしまいます。この解説の部分も日本と世界の差を広げる1つの課題です。
また、解説(コメンテーター)とは別にアナリストという表現を外国では使います。画面へのデータの出力方法などのプレゼンテーション、データ量、実体験や選手とのコミュニケーションに基づく解説は納得の材料になり、視聴者のリテラシーを向上させます。
日本はデータを取りまとめ、研究しハードを作り世の中に発信することが得意です。その反面、ソフト面のデータを分析・解析、データを取得しても、データを活用するリテラシーが低く活用し切れないことがあります。
今後は、データアナリティクスの部分を日本は強化し、テニスやスポーツに対するリテラシーの向上をすることが大切です。
You tubeやSNSが発達し、誰でも、気軽に、いつでも情報が発信し、視聴できる時代になりましたが、誰が、どういう経緯で、どのような知識を持っているか分別できるリテラシーが必要になります。
日本にはテニスとスポーツで最高の製品を研究開発・販売することができる企業が揃っています。今後はその分野も伸ばしながらも、ソフト面のリテラシーの強化を行うことが近い将来の課題だと思います。
今後、日本企業のサポートにより、テニスだけではなく、日本の象徴となる選手が多く輩出されることを期待しています。
テニスを通じて、日本の企業や国をPRしてくれる選手が増え日本と様々な国の交流ができることを楽しみにしています。
〜CC(Change Court)について〜
CCは、テニスのジュニア育成に関する問題や課題を解決していくための考察記事です。
「うちの地区こんな問題があるんですが…」、「これは正しいのかなぁ!?」、「これってどうしたらいいでしょうか?」そんなテニスのジュニア育成に関する悩みや課題を解決できるきっかけを皆さんと一緒に考察します。
Twitter↓
①MOTIVATOR
テニスに関する情報発信。日々のテニスに関するお悩みはこちらにコメントやDMください!
②CC
記事のリクエストやご意見・ご感想はこちらにコメントやDMください!