京都修行出張2日目
朝4時半起床。出張の朝は大きく分けて2種類に分かれる。朝早くから仕事があるから早起きしなきゃいけないパターンと、午前中はゆっくりなのだけれどこの朝イチ都内から新幹線で来るにはやや遅すぎるパターン。今回はそのどちらでもない。
京都に来たら行きたい所があった。それは西本願寺。家で焚いているお線香が「勲玉堂」という西本願寺の前に本店があるお香屋さいう名前のもので、西本願寺という場所に香りを通じて惹かれていた。そしてその西本願寺で朝6時からお勤め=朝の修行に一般参加もできると知った。これは行かねばと思いたっての朝だった。
朝5時半前にホテルを出る。早朝とはいえ既に暑さを感じつつある街中。それでも所々吹く街風に秋を少し感じる。
6時前に到着。既に20人ほどの一般の人たちがいて、中には毎朝来ているであろう(おそらく)経験な方々もおられた。おつもめは全体で1時間、まずは阿弥陀堂で10分ほど行った後、隣の御影堂で続きの40分ほどを行う。
せっかくなので畳に正座して参加した。そしてこれがのちに仇となる。阿弥陀堂のおつとめが終わって渡り廊下を歩こうとした時、一気に痙攣して歩けなくなった。その横をスタスタと歩く一般の方々や僧侶の方々。まだ自分からは煩悩が抜けきれていないのか…そう思わざるを得なかった。
そして御影堂。もう座った瞬間から怪しい気はしてたのだけれどまあ痺れる痺れる。それに御影堂のお経の長いこと。ナンマイダナンマイダがそのうち「アトナンカイダーナンカイダーナンカイダー」にしか捉えられない。やっぱり自分は凡夫=無知で愚かで煩悩に迷わされる一般人の事、だと痛感する。
悲劇はその後。お経が終わって法話に入るタイミングで完全に足がオーマイゴッド(仏教だからオーマイブッダ?)した。完全に感覚がなくなって正座のまま横に倒れそうになった。しかし後ろには何人もの参列者。恥ずかしい、情けない、と詫びながら体育座りで難なきを得ようとしたがそこから数分はつるかつらないかの格闘であった。というわけで、もしおつとめしようと考えている人がいたら迷わず後方のパイプ椅子に座られる事を強く推奨します。ナンマイダ。
しかしながら、法話は仔細を思い出せるほどありがたいお話だった。正直、お経はいつまで経っても理解は難しいと思うのでだけれど、お坊さんはその難しいお話を誰にでも起こり得るような例えを出しながら、少しユーモアに話して下さる。我々は仏様の教えをお坊さんたちを通じて頂いているのだと思うととてもありがたい。改めてナンマイダナンマイダ。
おつとめを終えて朝ごはんへ。食欲も煩悩なのかなと思いながら、いや食べなきゃ仕事できないでしょと我に帰り、Google mapで調べたら駅前で朝ラー発見。貝出汁で優しそうだし、長丁場だからちゃんと食べようと思い迷わず入店。ご馳走様でした。
そして1日の仕事を経て、大阪に来る時にいつも面倒を見てくれている大先輩が駆けつけてくれたので飲みのお誘いにありがたく着いていく。ナンマイダ。
その大先輩と京都で飲むのは初めてだったので公私の報告をしながら色々とお店を教えてもらった。〆は駅ビル構内のカレーうどん。曰く出汁がいりこで確かにかつ節とは違うカレーの奥にある背景の味を感じた。しかし量は多いしカレーは飛ぶしで大変だったかも紙エプロンが助けてくれた。ナンマイダナンマイダ。
明日もまた激務なので早めに切り上げ。それにしても朝が早かったので新幹線はほぼない爆睡。溜まっているメールも見る気になれず。
という形で終えた京都出張。普段より中身が濃い出張でという旅ではあったけれど、おつとめを通じて感じたのは、やっぱり何事も実体験が大切だし、だからと言って体験ばかりで勉強で知識を得ることを怠るのもダメ。頭でっかちにならないよう適度に知識と経験のバランスを取って、かといって何でも「やったことある、行ったことある」だけの人にならないようになりたい。その大切さに気づかされた。ナンマイダナンマイダ。