異世界漫画にツッコミを入れてみる。
はじめ
みなさんこんにちは、ちゃんどろです。
今回はDr.stoneを読んだ私が、とある「異世界漫画」にあった石鹸作りに対して「これは違くないか?」と思ったシーンがあったので、それにツッコミを入れようという、いわゆる「めんどくさい読者」をやっていこうかと思います。
ついでに出来ないことを実際に実験してみようという記事です。
最初に言って起きます。その「異世界漫画」はジャンプのDr.stoneでは無いです。あの漫画はしっかりと科学監修の方々がしっかりと検証した上で作品に使っているので、作中に出る科学は信じて良いと思っています。
経緯
数ヶ月前、私はこちらの漫画を読んでいた時のこと。
主人公が重曹(のような物)と植物油を混ぜ混ぜして石鹸を作ろうとしているシーンがあります。どうでしょう、Dr.stoneと作る材料が違っていませんか?
ここで、ガチの石鹸の作り方を説明しましょう。
Dr.stone単行本の最後には、参考文献があります。その文献の中に、「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」という本があり、その本のブログがあります。詳細は省きますが、この本に石鹸の作り方が書かれています。
最終的な反応はこちら
『水酸化ナトリウム』+『脂肪酸』→『脂肪酸ナトリウム(石鹸)』
どこにも『炭酸水素ナトリウム』も『炭酸カルシウム』も無いやん。と思うかもしれませんが、
『炭酸ナトリウム水溶液』+『水酸化カルシウム水溶液』で劇物である
『水酸化ナトリウム』で出来ます。(劇物なので、お家で作ってはダメ)
Dr.stoneでは「焼いた海藻』すなわち『炭酸ナトリウム』と『炭酸カルシウム』を焼いたりして最終的に『水酸化カルシウム』を作り、『脂肪』(植物油や動物油の描写はなかったが)と反応させて石鹸を作りました。
つまり、『炭酸水素ナトリウム』+『植物油』だけでは『炭酸カルシウム』というピースが足りないんです。
これでは石鹸が出来ない!!つまりこの漫画のこのシーンはおかしい!
と、口だけでは、小物感溢れるただのめんどくさい読者です。
なので、実際に実験してみることにしました。
気になることはなんでも試す、それが『科学者』と私は思います。
私は科学者ではないですが、科学を知りたい者として、自分にできる範囲でやろうと思います。
材料
・重曹
・ごま油
・その他実験器具
以上!
実験開始
画像を撮るのが下手過ぎてビーカーが見切れてるけど、許してくれ。
元は動画を撮ってたんじゃが、下向いてたの気づかず撮ってました。
まず、お湯に重曹を入れる。
豆知識だが、この時重曹から、二酸化炭素と水素が発生して泡が出るので、白い粉が重曹か分からない時は、お湯に入れるのが良い。
舐めてみるのも良いですけど、なんとも言えない味がしますよw
しばらく置いてから、ごま油を投入。
薄い茶色になって、泡が細かくなった感じですね。
あと、お部屋の中がごま油臭くなりましたw
攪拌するために竹串でかき混ぜたら、一気に泡が出てビーカーから泡が溢れ出た。早急に火を止め、しばらく放置しました。
とこんな感じの工程で実験を行いました。
結果
しばらく放置した結果、水と油の関係上、上下に分かれました。
つまり反応はしていない。まだ炭酸ナトリウム水溶液と油でした。
PH試験紙を使用した所、弱アルカリ性を示していました。
考察 なぜ石鹸が出来なかったか。
有機化合物の単元になりますが、化学式でみると出来ない理由がなんとなく分かります。(個人の主観です。)
日本石鹸洗剤工業会のサイトでは、『脂肪酸』と『水酸化ナトリウム』や『水酸化カリウム』で中和またはけん化して石鹸と水ができると書いてありました。
化学式的に『脂肪酸』の「H」と『水酸化ナトリウム』のヒドロキシ基「OH」がくっついて「H2O」が作られており、一方。「H」があった所に「Na」が入り石鹸が出来ています。
つまり炭酸ナトリウムでは「Na」があっても「CO3」をどうも出来なくね?って感じで、出来なかったのではないかと考えています。
もともこもないことを言いますが、ちゃんと化学反応式を考えれば結果的にアリエナイということが一発で分かりましたね。まぁ、実験してた当初は化学反応式とか考えなかったのでこのような実験をしたわけです。
化学の道を選び、反応で事を考えらる方は本当にすごい人達としみじみ思います。
まとめ
今回は「漫画にツッコミを入れる」というテーマで記事を書きました。最初は「出来ない!」って声を上げるだけだったが、次第に本当か?って思うようになり、実験して、記事にまとめるようになりました。
日本石鹸洗剤工業会
https://jsda.org/w/06_clage/4clean_199-4.html
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