手仕事の日本
この本との出会いは、今から約4年前。
竹製品を扱う会社に就職し、
手仕事や歴史、文化について学ばねば…と思っているときに
図書館で出会った一冊です。
学生時代は「自然との共生」がテーマだった。
有機農業や自然農、里山文化、環境問題、暮らしに興味があり、どうすればそれらに沿った生き方ができるのか、模索していた。
その中で出会った「自然と人が織りなす美しい物」がまさに竹細工でした。
竹に関わる仕事をすることは、模索途中の当時の自分が出した、最適解だと思った。
とはいえ、伝統文化や職人の世界について何も知らなかったので、入社してから学びの日々。
コロナ禍で出歩くこともそうそうできず、
入り浸ったのが図書館。
そんな時に出会った一冊です。
本の冒頭ではこのようなことが書いてありました。
《手仕事には民族的な特色が濃く現れ、いつも直接に心と繋がれていること。
仕事に喜びが伴い、道徳を守らせ、新しいものを創る力が現れる。
手仕事は一面に心の仕事。
最も人間的な仕事だ、と。》
更にはこのようなことも書かれてありました。
《自然を離れては、また自然に叛いてはどんなものも美しくはなり難いでしょう。一つも品物を作るということは、自然の恵みを記録しているようなものであります。》
どんなものも自然と人間との交わりから生み出されてきた。
人と自然が織りなす美。健康的な美。
半農半工の世界。
あーこれだな私の理想の暮らし、
と、
晴れやかな気持ちになったのを覚えています。
より“もの”を興味の対象として、大事に、
そして愛着を持って接するようになり、やっぱり自分でもいつかはやりたいなあと。
また、この本は旅の目的まで与えてくれた。
《地方に旅をなさる時があったらこの本を鞄の一隅に入れて下さい。あなた方の旅の良い友達となるでありましょう。》
この一節を真に受け、
どこか行く時はこの本も一緒に持って行くようになりました。
日本には心から感動するような品物や、歴史、文化など知らないことがたくさんあるようです。
せっかくなので出会った品物、
場所などの記録を自分のペースで残せたらいいな…と思います。
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