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好きの最上級

推しが居る。とてつもなく大切な推しが。

正しくは“いた”。

その推しは
アイドルを引退した。

【不思議なことばかり起きるんだ君といると。】

今まで生きてきた中で、女性アイドルを推してきたことしかなかった。男性アイドルはジャニーズ(STARTO)ですら興味が無かった。

そんな私が生まれて初めて好きになった男性アイドルグループが「CUBERS」だった。

CUBERSを知ったきっかけは、コロナ禍で職場が休業になり、暇すぎて永遠にTwitterを見ていた時だった。

末吉9太郎くん(9ちゃん)の「オタクあるある動画」を見つけて、オタクだった私は見漁った。

始めは芸人さんかと思っていたが、どうやら彼はアイドルだった。そこそこ有名な人だったからセンターなのかなと思ったらセンターではなかった。

その時に見たMVでは特にハマることもなく、ただただ「アイドルなのにアイドルオタクなんだ。推してる人ってどんな気持ちなんだろう」と思うくらいだった。

そんなある日。
CUBERSの企画で「ファン投票でセンターを決める」というものが始まった。
私は推しが居ない状態でこういうものに参加するのが好きなので(推しが居たら気が気でないから)、毎日とは言わないが気づいた時にはちょいちょい9ちゃんに投票していた。

その頃から9ちゃんのTwitterを見ていてやたらとリプでやりとりしてるメンバーがいるな、と気づいた。

それが春斗くんだった。

多分何かの企画でメンバーそれぞれが彼女目線みたいな動画を撮っていて、春斗くんのTwitterを見漁った時にそれを見つけてまんまと好きになった。

なんか春斗くんは、他の人と違った。

あと、この頃は春斗くんや9ちゃんの名前を入れてツイートすると、いいねが来るのも嬉しくてどんどんハマっていったというのもある。

ファン投票企画で9ちゃんがセンターになったのは凄く嬉しかったし、まだCUBERSを詳しく知らなかった私にとって9ちゃんがセンターなのが当たり前だと思っていた。

私が明確に「春斗くんが好きだな」と思ったのは、9ちゃんのセンター曲「あたらしい生活」や、カップリング曲を披露するYouTubeライブを見てて、春斗くんがファンのコメントを見る時にスマホを充電しようとしてるところを見て、なぜか「え、めっちゃ可愛いな春斗くん」となった。とても謎だ。本当に。

それから私は春斗くん推しになった。

とは言っても世間はまだコロナ禍だし、会いに行くにしても有観客のライブすらない。
なのでとりあえずCDを集めた。
特にライブ映像が入っているものを中心に。
どんなライブをして、どんなMCをして、どんなファン層で活動しているのか、を知りたかった。

そしてそれを知る内に私の中に初めての感情が生まれた。

「やばい。痩せないと春斗くんに会えない。」

東京のオタク(女の子)はなぜかみんな細くて可愛いのだ。何を食べているんだろう。草だろうか。

私は異性のアイドルを好きになって初めて自分の容姿を気にするようになった。
確かに前から太ってきたな~とは思っていた。
けど「とりあえず健康診断に引っかからなければいいや」程度のものだった。

【あと3kg痩せなきゃだめだ。】

2022年1月4日。
私はCUBERS、春斗くんに会うためにダイエットを始めた。

ここから少し推し事のことは少なくなるけど私の頑張りを知って欲しい。そしてあわよくば「え、やるやん」って思って欲しい(強欲)。

まず、目標を設定した。
とりあえずその当時の私の身長と体重でBMIを測ってみたところ、27.96で肥満だった。
なのでこれを標準にするところを目標とした。
具体的な数字は書けないけど、13kgは痩せないと厳しいらしい。

「あと3kg痩せなきゃだめだ~」どころの騒ぎではない。

YouTubeで筋トレ動画を見漁って自分でも出来そうなものをピックアップして、とりあえず1ヶ月は嫌でも続けよう!と決めた。

そして夜ご飯は炭水化物を抜いて、その分活動時間が長い昼は好きなものを食べてもOK!という決まりも作った。

3日に1回は体重を測ることにして、日記をつけて管理し始めた。

筋トレはYouTuberの「なるねぇ」さんという方の動画を何個か再生リストに入れて毎日続けた。

勿論きつい日もあった。なんなら仕事が終わって帰ってきて夜ごはんを食べた後で1時間は筋トレできないから(ご飯食べてすぐ後にやるのは良くないかもと思っているので)筋トレをするまでにも時間がかかるし、筋トレは1時間かかるし、それからお風呂だから1日は24時間じゃ足りなかった。

それでも頑張れたのは春斗くんから定期的にくるツイートへのいいねだった。
その度に「やばい、頑張らないと」と思ったし、私がした「春斗くんに会うためにダイエット頑張る!」という旨のツイートもいいねが来ていたので後戻り出来なかった。

そしてそして8月下旬。
仕事終わりにメールを見たら当選メールが届いていた。

「CHOICE」のCDに付いてくる抽選応募券で応募した「個別サイン会」の当選メールだった。
私は5枚買って5枚とも春斗くんにベットした。
そもそも当たらないと思ってた。

なので急な当選メールにびっくりしつつも、その日のうちに飛行機を取った。
急すぎたからイベント当日しかお休みをとっていなくて日帰りになってしまったけど…。

(この当選メールの後、オンライントーク会があった。私にとっては初めて春斗くんとお話する日だった。マジで記憶がないけど、サイン会に行くよ!ということを伝えた記憶はある。)

このイベントは本当に神イベだった。
目の前に春斗くんが居て、自分に笑いかけてくれてるのだ。しかも名前も書いてくれる。しかも「いつもリプありがとう」とか言ってくれてる。とにかく脳内は(やばい)しか無かった。

勿論この瞬間から沼である。\はい、沼!/

次のリアイベは旭川であるフリーライブだった。そこでは2S写メ会もあるということで俄然ダイエットを頑張った。

あと私は札幌近辺に住んでいるので旭川も最早遠征みたいなもんだった。というか初めて旭川に行った。

ビギナーズラックと言うべきか、有難いことに整理券は1桁ということもあり、最前でライブを見ることが出来た。
2S写メ会は緊張しすぎてマジでろくに会話もしないまま即離脱した。
でも私がポーズをお願いしてる時にきちんと目を見て聞いてくれたことだけは脳内に保存していた。

【今日もまたどこかへ歌いに行く。】

この頃にはLINE CUBEでのライブのチケットも当選していたり、オンライントーク会も参加していたりと、日々楽しみが増えていった。
ダイエットも頑張れたし、目に見えて効果が出てくるのも嬉しかった。

2023年5月。
ずっと楽しみにしてたLINE CUBEでのライブに参加した。
それまでCUBERSのライブは先述したように旭川のフリラでしか見たことがなかったから、箱ライブがとにかく楽しみだった。

席は前から2列目の真ん中で沢山キラキラアイドル春斗くんを見ることが出来たし、人生初の推しカメラも撮ることが出来た。

写メ会も今までで1番痩せてる状態をキープしたまま参加出来て本当に良かった。

この頃になると私は転職を考えていて、その理由が「もっとCUBERSの現場に行くため」だった。勿論会社に不満があったという理由もあるけど、それの次の理由がCUBERSだった。

【次の約束をしよう。】

そして会社を辞める10日前。
CUBERSのFCから通知が来た。
私はそれを見た瞬間に頭が真っ白になった。
そして察した。

案の定、だった。
私は受け止めきれずにボロボロに泣いた。
自分が変わるきっかけをくれた大好きなグループが解散してしまう、という事実が辛かった。しんどかった。

とりあえず会える時に会っておかないと!と思い、LAST SUMMER CUBERSのチケットを取った。FCの割に席は後ろの方だったけど、肉眼でステージを見ることが出来たし、メンバーも客席降りで近くで見ることが出来た。

「Twilight」でTAKAくんが泣いてる姿が今でも鮮明に思い出せる。
「次の約束をしよう」という歌詞。
もうCUBERSと過ごす夏は来ない。
その事実の前に、一オタクである私は、何も出来なかった。

本来なら冬ツアーも行きたかったけど、北海道は冬になると飛行機が飛ばないことも増えるので、行けなかった。

その代わりに春斗生誕は絶対に飛ぼうと決めてきた。ただ転職先の都合で連休はあまり取れないので、夜の部と次の日のリリイベだけ行くことにした。

FCで取った割に2階席だったけど、それでもステージでみんなから愛されてる春斗くんを沢山見ることが出来て本っ当に幸せな時間だった。
本当にこの人たちは解散するの?って思うくらいだった。

次の日のリリイベは屋外+ジャケ写サイン会だった。私はてっきり握手会かと思ってこの日のリリイベ行こう!と思っていたので拍子抜けしてしまったが←

身長が低いから埋もれながらだけど割と良い位置で見ることが出来た。
ハイタッチ会も参加して、サイン会も春斗くんと少しだけお話できた。

とにかくこの時には「もうここしかきちんとお話できるイベントは無い」状態だったので、サインを書いてる春斗くんを前にして、話すだけ話した。

春斗くんに会うためにダイエットを頑張ったこと。
春斗くんが良い意味で私の人生を変えてくれたこと。
とにかくとにかく!春斗くんには幸せになって欲しいということ。

春斗くんはニコニコ聞いてくれた。
私はとにかく伝えたいことを伝えられて安心した。

本当は「私のこと、覚えてくれてるのかな」とか思ったけど、最早認知云々よりも、「ただただ春斗くんに幸せでいて欲しい」という思いだけは、直接伝えたかったのだ。

【僕らだけはずっと主人公でいていいの。】

そしていよいよ、最後の遠征の日が来てしまった。
体重は、今までで一番痩せていた。
この日のために頑張ってきたんか?と思うくらいだった。

特典会は泣かないように必死だったけど、春斗くんのふわぽわパワーで楽しく過ごせた。
でも会場内から出てくるオタクの子たちの泣いてる姿に胸が苦しめられた。

最初で最後のメンバー全員との写メ。
どうしてもチケットが取れなくて諦めてたけど、遠征前日にギリギリ整理券が取れて無事に1枚だけ買えた。

最後はみんなでCUBERSポーズをした。
そして「出会ってくれてありがとう」を伝えられた。
TAKAくんが「こちらこそ」と返してくれて、泣きそうになった。
春斗くんは「気をつけて帰り~」と手を振ってくれた。永遠に気をつけて帰ります。

翌日のLAST LIVE。
本当にずっとずっと緊張してた。
今日でいよいよ終わってしまうんだな、と。
今まで履くことが出来なかったSサイズのGパンを履いて見に行った。

700番台だったけど立ち見で良い位置で見ることが出来たし、春斗くんと綾介くんとハイタッチ出来て嬉しかった。

何回も泣いたし、何回も笑った。
色んな感情が湧き出るライブだった。
ただただ本当に、メンバー5人は私にとって、オタクにとっての主人公だった。

【覚めないで 消えないで。】

本編が終わり(ああ、もうアンコールで本当に終わりなんだ)と思って迎えたアンコール。

そして自然に沸き起こるダブルアンコール。

まだ帰りたくない。終わりたくない。

メンバーが出てきてTAKAくんが「僕たちは再結成します!」と言ってくれた瞬間、鳥肌が立った。

いつになるかは分からないけど、期間も分からないけど。

でも最後に5人は「またね」をくれた。
「次の約束」をくれたのだ。

そして5人が最後に選んだ楽曲「Samenaide」。

CUBERSを好きだった毎日は本当に幸せだった。楽しかった。どんなに辛いことがあっても「あのイベントまでは頑張る」と頑張る理由をくれていた。
そんな夢みたいな日々を、日々が、まだ続くという嬉しさ。

勿論SNSの更新をしないメンバーも出てくるだろうし、このままお仕事を続けるメンバーもいる。
前みたいに5人揃うところなんて滅多に見れなくなる。

それでも、嬉しかった。
5人が誰よりもCUBERSを好きでいること。
5人がいつかまた集まってくれること。

そして最初から最後まで5人でいてくれること。

CUBERSを知ってから約4年間。
本っ当に楽しかった。

私にとってCUBERSを推してきた期間は、幸せがいっぱい詰まりすぎている。

【この物語は幸せがいっぱい。】

あの時、9ちゃんを見つけられて良かった。
恐らく一番コロナ禍に苦しめられたであろう男性アイドルグループだと思うけど、私はコロナ禍でなければきっと出会えてなかったと思う。

9ちゃん、あるある動画をあげてくれてありがとう。あの動画が無かったら、こんなに幸せなオタクになれなかった。

綾介くん、クリスマスに札幌に来てくれてありがとう。エールCUBERSの記憶で何回もモチベが下がらずにオタクで居られたよ。

優くん、実は初めてMVを見た時に一番好きかも!ってなったメンバーでした。沢山春斗くんをいじってくれてありがとう。

TAKAくん、どの界隈で活躍しててもCUBERSという居場所で素でいてくれてありがとう。そしてセンターという位置に居てくれてありがとう。

春斗くん、推させてくれてありがとう。あなたを推している期間で私は少しでも自分のことを好きになれました。超絶インドアな私に色んな景色を見せてくれて、色んな場所に連れて行ってくれてありがとう。ずっとずっと、大切な推しです。

きっと私は、他のキュー部の方からしたら全然新規だと思うし、現場にも滅多に行かない在宅オタクだと思うけど、私は私なりにできる限りCUBERSを応援してきたつもりです。

写メ会の写真を載せて鍵垢に引用RTされた時からキュー部の皆さんのことが怖くなって、最後まで誰とも話せず終わってしまったけど、私が現場で分からないことがあった時や、写真を撮って欲しいとお願いした時に、皆さんが優しく教えてくれたり、接してくださり、本当に嬉しかったです。

本当はもっと、仲良くなりたかったな。

【片想いで終われない僕がいたよ。】

ただただずっと推しを思っているのは、本当に幸せなことだ。
でも想うだけじゃなくて、推しにどう映るのかをこんなに考えたのは初めてだった。

春斗くんに会うために始めたダイエット。
結果的に言うと約16kg痩せた。
メイクも勉強したし、服も興味がなかったけど雑誌を見て買うようにした。

自分が変わるくらい、こんなに人を好きになることってあるんだなと思った。

努力をして、自分自身を少しでも好きになれて良かった。

それもこれも全て春斗くん、そしてCUBERSのおかげだ。

推しのために可愛くなろうと必死に頑張ったオタクは、今日も頑張り続ける。

5人がくれた「またね」を信じて。


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