やめてもいいかな
「音楽なんてやめてしまいたい」
そもそも、いい音楽なんて誰にもわからないし
売れる音楽なんて目指して書くものではないし、キャッチーだったらそれでいいのかってそれは違うし、加えて、歌声がよくなきゃいけないなんてもうそんなの無理だ。全部満たすなんてそんなの、苦しい。
スタジオからの帰り道、何度涙を流したかわからない。
「あなたは音楽を作ることが、向いていないと思います。」
ライブハウスの方に、
そう、はっきり言われたこともある。
15歳から音楽、というものに出会って
カラオケからコピーバンドになり、ハンドマイクから弾き語りになり、飽き性の私にしては珍しく音楽に背を向けることなく
たくさんの人に支えられて私は今、シンガーソングライターとして活動している。
初めて人前で歌ったあの日、胸がざわざわした。
初めて大きなスタジオでレコーディングした時、駆け出したいほど嬉しかった。
菜摘ちゃんの音楽が好きです。
面と向かって告げられた日には、涙が溢れるのを止められなかった。
"落ち込む機会を絶対に逃さない"
高校生からお世話になっているレーベルの方にキャッチフレーズをつけられるほどネガティブな私は
たまにやってくるそうした小さな喜びを、周りが思っている以上に大切に抱きしめて、なんとか立つことができている。
これは、そんな私こと、シンガーソングライター菜摘の、些細な毎日をお話しする休み時間。
もし、強くてブレないかっこいい菜摘を想像してくれていたりなんかしたら、
呆れながら眺めてくれたらいいや。
どうぞ、よろしくね。
菜摘
音楽活動の足しになります、執筆活動の気合いになります、よかったら…!