騒音 1
家につくとすぐ玄関のシューズボックスの上に
鍵を投げる。
腕時計で時刻を確認した
また2時か…
今日の帰宅もだいぶ遅くなってしまった。
長く履いたパンプスは足が浮腫んでいて脱ぎづらい
手でやっと剥がした一足を玄関に放り、もういっぽうは脱いだ足で無理くり剥がす
一人暮らしの家は朝出ていったままの形で
私を迎える。
重たい鞄をソファの横に置きそのままダイブした
脱いだパジャマとテレビのリモコンを下敷きにしたから居心地が悪かった
無理矢理身体をねじりリモコンを取る。
電源ボタンを押すと眩しい程の光が部屋を照らす
この時間はまわしてもまわしても通販番組
もしくは放送終了の画面だ
はぁ
と大きなため息をつく
やらなければいけないことが後にあると
寝つくに寝つけない
重い身体を持ち上げ洗面所に向かう
始めに洗濯機を回す
全自動は素晴らしい。
今まわせば朝には出来上がっている
中に入れスタートボタンを押す。
そのあと手を洗い化粧を落とす
今日はシャワーだけでいいや
今日はというよりここ最近ほぼ毎日シャワーか。
すべてため息まじりに物事をこなしていく。
やっと眠りにつけそうだ。
沼に落ちていくようにベッドへ入った
7時を知らせる音にいつも心臓が跳ね上がる
また朝が来た
中々ベッドから起き上がる事ができない。
テレビをつけるとアナウンサーが元気に特集コーナーを盛り上げている。
今流行りのスイーツはまた海外でブームだったものを
一年越しで日本に上陸させたらしい。
行列が出来ているとリポーターが話し、若い人達が店内で写真を撮りながら騒いでいる。
味はどうですか?の質問に、超映えですと答えていた
天気予報が始まるタイミングで洗面所へ行き
顔を洗う。
確かめると
洗濯機は仕事を終わらせていた。
取り出すとまだあたたかい。
それを寝室へ持っていく。
綺麗になったね。と声をかけ
クローゼットを閉め仕事へと向かった。