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もしも、こんな奴がいたら【第14話 魂に漢を宿らせろ】
2回目の大失恋をしたサクラに会いにいった。
久しぶりに叫ぶように泣いていた。わんわん泣いていた。赤ちゃんみたいに、ただただ泣いていた。
いつもいつも、そうなんだ。恋愛が下手で、好きな人には好かれなくて。いいなと思った人には必ず恋人や好きな人がいるんだ。
誰か心肺蘇生してくれ。AEDも忘れずにな。
どれだけ年が離れていても、環境が違っても、好きな人への気持ちは同じ温度なんだな。年齢なんて関係ない。名誉も関係ない。
なんとなく、そんな気がしていたよ。いつかな。いつ付き合うのかな?結婚するのかな?前から薄々感じていたよ。でも、あの方となら応援しちゃうな。
とにかく動揺しすぎて、たまごかけご飯の醤油をかけすぎて、真っ黒になってしまった。
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あなたが幸せなら私も幸せ。そんな綺麗事を言ってみたけれど、嘘は得意じゃないみたいだ。
1回だけ、覚えているか分からないけれど、告白しておいてよかった。本当によかった。好きだと伝えられないまま、あなたが結婚してしまうのは後悔しかないから。
若者がサクラに問う。「どうしてサクラさんは、結婚してないんですか?」
もし、そう尋ねられたらこう答えよう。
「恋はしたよ。」
と、そう答えよう。
ちゃんあす。の日記のはずが、サクラの感情まみれの文章になってしまった。小説らしさが全くない。
もしも、こんな恋をした奴がいたら面白いですか?面白いですよね?面白すぎるでしょ?
歳の差婚なんて上手くいかないって聞くし、上手くできる自信もサクラにはなかった。子どもだって好きじゃない。あなたは、子どもが大好きなんでしょ?
じゃあ、結果オーライ。オーライすぎる。
嘘だ。そんなの嘘だ。
嘘が得意じゃないんだな。涙が止まらないよ。
あなたの吸っていた煙草の銘柄は、一生忘れない。今夜を糧に、明日を生きていくんだ。
どうぞお幸せに。今のサクラには、綺麗事でしか言えない台詞だけれど、いつか本心で言える日がくるといいな。お幸せに。
短い恋だったけれど、夢に溺れることができて本当に幸せでした。これは本当にそう思ってる。あなたはサクラの永遠のヒーローです。
いつか、奥様とお子さんを連れて沖縄旅行へ来てください。ヨガ教室とカフェ・バーをして待っています。お店の名前は変えないつもりです。ちなみに、その時にはサクラの隣に、トムという旦那さんがいます。奥様とマタニティヨガ、お子さんとキッズヨガをしたいな。あなたはトムとウィスキーでもいかが?
約束してくれよ?彼女を泣かせるな。世界一幸せな女にしろよ。絶対だぞ。絶対に。
浮気したり、借金したり、子育て手伝わなかったり、とにかく彼女を困らせること一つもするな。やったら許さないからな。
そして奥様へ。おめでとうございます。今は綺麗事として言っていますが、いつか本心でお伝えしますからね。今からあなたは世界で一番、幸せになる人です。長年の恋が実りましたね。あなたの努力や情熱が届いたのでしょう。とてもカッコいいです。人として尊敬します。末長くお幸せに。
よし。強い心、魂で生きるぜ。泣くんじゃねぇサクラ。魂に漢を宿らせろ。この悲しみをエネルギーに変えて、夢を叶えるんだ。漢気だ。
サクラが結婚した時、知らないどこかの第三者から応援してもらえる人間になりたいな。彼女のような人間になりたい。なりたいじゃない。なるんだ。なってやる。
でも一つお願いが。サクラが死んだと知った時、あなたには涙を一粒流してほしい。こんな奴に応援されていた。応援されていたんだ俺は。と、自信を持って胸を張って、仲間に自慢してくれたら嬉しいな。それは、欲張りすぎだけれど。
これだけなら叶えてくれるかな?
涙を一粒。
恋をして、サクラはもっと綺麗になったよ。
あなたにも、あなたを見守る妖精がいます。きっと、今日もあなたを見守っているはずです。
いつか、あなたに届きますように。
そして、あなたの素晴らしさが世界中のみんなに伝わりますように。
私の心の陽射しへ謝を込めて。