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もしも、こんな奴がいたら【第20話 一億粒の涙】
愛で人は動く。それと同じくらい、人の死も人を動かす。それだけは忘れたくない。
身近な人が沢山亡くなってしまった若き日のサクラ。色々な想いが溢れていた。今日は、サクラの想いを身にいこうか。
好きだった作家さんが天国へ行った時、あなたは感謝を伝える投稿をしていた。なんてサクラは小さいんだと思った。
そういう意味もあったのかな?ご馳走したい人がたくさんいますって。今、あなたを応援している人だけではなくて、天国の人も含めてなのかも。すごいな。
サクラは人の気持ちがまだまだ分かっていない。もっと心のビックな奴になりたいと思った。逆に、天国へ行っても思い出してもらえるような人になりたいと強く噛みしめたんだ。
愛されるよりも愛したい。
こんな言葉は、こんな風な想いは、愛したい人がいる時に出る言葉だ。愛したい人がいない時には、人は愛されたいと思うはず。本音は、愛したい人がいても、愛されたいけどさ。
なぜ愛がどうだと言い出したのか自問自答するサクラ。
お隣さん、美容師のお父さん、従兄弟のおじいちゃん、親友のおじいちゃん。この冬。身近な人が立て続けに亡くなった。
悲しかったけれど、愛を知った。何人もの人の涙を目にした。線香の香りを何度も嗅いだ。
人には、それぞれの人生がある。そして、愛す人と愛される人がいる。新聞のお悔やみ欄に、喪主の名前がない人。でも、その人々を愛した人が必ずいる。いるんだ。いたんだ。絶対に。
親友のおじいちゃん。
親友は、田舎で暮らすのが嫌で、上京して就職した。そして婚約もした。けれど、おじいちゃんが亡くなって、気づいた。家族の側にいることの大切さに。だから、地元に帰ってくるそうだ。自分の実家の近くで暮らすそうだ。あんなに、都会に憧れていた親友が。田舎での暮らしを選ぶとは驚いた。しかも、旦那さんも心を動かされて一緒に田舎に来てくれるとは。
決して良いことではないと、わかっているけれど思うことがある。人の死は、人を動かすのだと。そのくらい、大きなことだと。
日本人1億人。
1億人、それぞれの人生と死と涙。1億粒の涙が流れる夜が必ずやってくる。
愛によって心が動き、それが形になる。それはパートナーになるという形、結婚するという形、子どもを授かるという形。様々な形となって現れる。
形は違うけれど、人の死も同じだとサクラは思ったんだ。どこかで誰かが笑っている時、別のどこかでは誰かが涙を流している。
自分が楽しい時。つい忘れてしまう。だから時々、サクラは、ちゃんあすと過去に戻ってこの気持ちを思い出す。そうしようね。サクラ。
~
あなたにも、あなたを見守る妖精がいます。きっと、今日もあなたを見守っているはずです。
いつか、あなたに届きますように。
そして、あなたの素晴らしさが世界中のみんなに伝わりますように。
私の心の陽射しへ感謝を込めて。