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もしも、こんな奴がいたら【第16話 転機は天気】

35歳のサクラをチラッと見てから25歳のサクラに会いに行こうかな。


35歳のサクラは、沖縄でカフェ・バーを経営しながら時々ヨガ教室を開いて平和に暮らしていた。悲しいことや辛いことがあった日は、綺麗な海を眺めて前を向いた。

こんな平和なサクラだが、25歳の時に転機が訪れていた。その転機はゲリラ豪雨のように突然やってきた。


~25歳のサクラ~

サクラの母親はスイッチが入ると感情が押さえきれなくなって、別人になったように怒り狂う人だった。そのスイッチはサクラの父親と一緒の空間にいると入ってしまう。サクラの母親はいわゆる毒親で、暴力こそしないが言葉の暴力は何にも例えられないようなひどいものだった。

サクラの母親は、自分の母親(サクラの祖母)に愛を与えられずに大人になってしまった。だから、娘のサクラの愛し方がわからないのだ。サクラの母親は、いつも自分の居場所を探していた。サクラが産まれてからは、母親にとってサクラが居場所となっていた。だから、母親は自分の思い通りにサクラには育ってほしかったし、従わせたいかった。サクラが自分の意志をもつようになると、母親の思い通りにはいかないことも増えていった。


年に数回、母親のスイッチが入る時があった。そんな日々にサクラは命の危機を感じていた。
母親のスイッチが入るたび、サクラは自分を責めた。自分は最低だと思って消えてしまいたくなっていた。でも、それは違うと心のどこかではわかっていた。

そして、ついに決断した。一人暮らしをしようと。

もっと早く行動すべきだったが、今という時が一番早いのだから、早めに行動できたと言えるだろう。


もう父親と母親の恐ろしいやり取りを目にしなくて済む。母親の暴言を鵜呑みにせずに生きられる。そう思うとサクラは安心して涙が出た。

もともと沖縄に憧れがあって、いつか住みたいと思っていた。30歳くらいに沖縄へ行けたらいいなと思って計画していた。けれど、状況が変わった。とりあえず、まだ沖縄へは行かないにしても、地元で一人暮らしを始めることにした。沖縄移住の練習にもなるし、一石二鳥だ。


まさか、こんな転機が訪れるなんて。

晴れて一人暮らしを始め、サクラの心は安定するようになった。例え家族であろうと、離れるべき人間からは離れた方がいい。それは間違いない。

サクラは命を守る道を選んだのだ。


私、ちゃんあす。は知っているよ。サクラがこの後、もっと幸せになることを。転機は突然だったけれど、今までの土砂降りの雨が晴れて、人生に虹がかかる日がくることを。



あなたにも、あなたを見守る妖精がいます。きっと、今日もあなたを見守っているはずです。



いつか、あなたに届きますように。



そして、あなたの素晴らしさが世界中のみんなに伝わりますように。



私の心の陽射しへ感謝を込めて。



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