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幼児のような友情を求めている

幼児のような友情を求めている

二次性徴が来る前の

社会的な体裁なんて関係ない頃の

掴み合いの喧嘩ができた頃の

鬼ごっこの、勢い余ってもつれあって転げた頃の

美味しいものは半分こするのが普通だった時の

ティアラとドレスに憧れていると、堂々と言えていた頃の



25歳が近づくと、そういう友情はどんどん遠い存在になる

男女がふたりで出かければ、デートというらしい。好きだという感情はどうしたって、どこかに性愛を含む感情を期待させてしまう

掴み合いの喧嘩をするとき、もはや事件になる

ティアラとドレスに憧れていると話す時、それに相応しいキャラを自身に包含させなければ、かえって自分が傷つくことになる



私だって
恋人が幼児のような友情を求めて異性と仲良くしていたら、モヤモヤしてしまうだろう

○○に憧れているという人を見る時、心のどこかで憧れている対象とその人との距離を見てしまうだろう


こういう時、人間の社会も雌雄異体の繁殖様式も、恨めしく感じてしまう

命を終えたその先の世界には、
きっとそういう価値観は存在しないんだろう
どうか存在しないでいてほしい

芝生で抱き合って転がり回る春の日のような
気ままに世界を巡る秋風のような

世界を望んでいる