バイト終わりの夜、身に沁みる曲
土曜日は日中のシフトでバイトがあり、疲れた身体で帰路につく。その道中で何を聴くか。
土曜日の楽しみの一つでもある。
その約20分の間に聴く曲は、いつも通り激しいロックかもしれない。あるいはメロウなバラードか。はたまた元気の出るポップスか。
今日は疲れに寄り添う曲を欲してたので、俺はおもむろにSUPER BEAVERのプレイリストを開いた。
1.「生活/SUPER BEAVER」
日々の暮らし、倦怠、叙情を淡々と綴った、名前通り「生活」を歌った一曲。バイト終わりに聴くと沁みるんだなこれが。「肌寒い夜に 久々に聞いたラブソング」という入りが良い。俺もそんなにラブソングを聞かないからこそ、季節感とマッチして自分の生活になぞらえて感じることができる。ほんと良い曲。
2.「夜汽車/フジファブリック」
生活に引っ張られ、黄昏られるような曲を選んだ。帰り道の空はまだ黒いままで、夕日とともに帰り道を歩ける情緒はもう少し先になりそうだが、夜だからこその情緒もある。夜だと疲れがダイレクトに感じられ、それこそ夜汽車のような曲が一番必要なのである。志村の朴訥とした歌い声は、なんというか、言葉にできない切なさを孕んでいて。なんか知らんけど、泣きそうになる。
3.「靴の花火/ヨルシカ」
切なさ重視で一曲。イントロのギターから夜を感じ取れて、すごく良い。個人的にヨルシカは夏の昼下がりに聴くのが一番だと思っているが、この曲(あと爆弾魔、逃亡あたり)はちゃんと夜に聞いたほうがいい。曲の伝える世界観を明確に、より確実に体感することが出来る。花火など咲かない季節だが、夜空を眺めると、何気ない「あの日の夏の夜のこと」を浮かべる。そうして、また夏が恋しくなる。そうして、夕暮れの帰り道に焦がれる。
4.「16/andymori」
俺は大抵、メロウな曲を2〜3曲聴くとどうしても激しい曲を挟みたくなるのだが、少し家が近づいてきて、なんとも言えない焦りが生まれ(家の居心地はとても良いのだが)、それを沈めるために小山田壮平の声に頼った。歌詞の感性的な部分が、自分の感情に近いものを感じる。この曲を聴くと、何故か誰かと話をしたくなる。家に帰って、家族と話をしたくなる。何気ない生活が恋しくなる。そうこうしてたら、もう、家は目の前。帰り道というライブハウスは、ここから先へ進むと終わってしまう。たまに、わざと遠回りをしてもう少し曲を聴いてみたりするのだが、今日は違う。何故なら16を聞いてしまったからだ。多分、今日は風呂に早めに入って、お湯に浸かりながらイントロの口笛を口ずさむだろう。
明日もバイトだ、明日の“ライブハウス”では何が聞けるだろう。
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