特級ル・メニルのジャン・ルイ・ヴェルニョン
コート・デ・ブラン:白の丘
コート・デ・ブランは言わずと知れた、Champagneにおけるシャルドネの銘醸地。素晴らしいブラン・ド・ブランを生み出すRMとの宝庫でもある。
そのテロワールに目を向けると、コート・デ・ブランの名の由来でもあるらしいのだけれど、シャルドネ特有の酸とミネラルの基盤となるのが各村の土壌に豊富に含まれる”ベレムナイト・チョーク”。ベレムナイトはオウムガイの1種、この貝の化石を豊富に含む土壌が丘の中腹に分厚く広がっていて、こういった石灰成分を含む土は表土の部分からやや白っぽくなることからも、「白の丘」と名付けられたとのこと。シャルドネの栽培には石灰土壌が適している。
コート・デ・ブラン にはグラン・クリュが6村あるが、Avizeとle Mesnil-sur-Ogerは格別だと思うし、好きなRMが多くある。
今回のRM:JEAN-LOUIS VERGNON
5世代に渡り家族経営を続けるジャン・ルイ・ヴェルニョン。畑はル・メニルを中心にオジェ、アヴィズに計5.3haを所有し、1985年からビン詰めを開始。2002年にセロスと親交深く影響を強く受けているというクリストフ・コンスタンを醸造責任者に迎えて劇的な変化を遂げて注目されるRMに。
ル・メニル・シュル・オジェ村のシャルドネの特徴は長期熟成型であること。浅い表土の下に広がるチョーク層から、鋭角な酸と豊富なミネラリティがもたらされる。故にマロラクティック発酵によって酸を柔らかくするか、飲み頃を迎えるまで長く熟成させておくのが一般的。だが、ジャン・ルイ・ヴェルニョンの特徴は十分に熟したブドウを用い、低ドサージュ。”マロラクティック発酵をせずに、すぐに楽しめるブラン・ド・ブラン”であることがもモットーだとか。それによりコート・デ・ブランらしい美しい酸とミネラル感を備えつつ、充実した果実味を見事に表現したChampagneが生まれる。
公式サイト https://champagne-jl-vergnon.com/en/
コンベルサシオン ブリュット
ジャン・ルイ・ヴェルニョンのスタンダードキュヴェ。ル・メニルとオジェをメインにアヴィズのシャルドネを使用。瓶内熟成36ヶ月、ドサージュは5g。ファーストアタックはウォールナッツや和栗、凝縮感もあり酸とミネラルが伸びやか。果実由来のアロマティックさが好きな人には向かないかもしれないが独特で面白い。
参考価格:6,820円/tasting:2021年6月
オー・モット2011
ル・メニル・シュル・オジェの単一区画オート・モットのシャルドネのみで造られる、正にル・メニルのテロワールを表現したキュヴェ。
樽醸造・樽熟成を経て瓶内熟成72~84カ月。ノンドゼ。
瑞々しくフレッシュ、何とは特定し難い柔らかな(グレープフルーツやレモンではない)果実のアロマにほのかなジンジャー香。ル・メニルのシャルドネに感じる骨格やタイトさも感じる。不思議なバランスの一本だった。
参考価格:10,780円/tasting:2021年6月
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?