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「10年迷った末に腹をくくった」—上司の言葉が私の人生を決めた

私にとって「上司」といえば、アシスタントをさせてもらっている漫画家の 中村先生。彼女は私より15歳年上で、大手出版社2社の連載をずっと続けている第一線のプロです。おかげで私も仕事が途切れることなく、もう20年以上、月に2回一緒に仕事をさせてもらっています。

そんな先生から聞いて、今でも忘れられない言葉があります。

「28歳のときに、私は漫画だけで生きてくって決めた。これから起こり得ることは全部自分の責任って、腹をくくったんだよね」

中村先生

この言葉を聞いたとき、私はまだフラフラしていました。大学生のときに一応漫画家デビューはしたものの鳴かず飛ばずで全く食べていけるレベルではなく。
だからアシスタントをしていたわけですが、それでも「漫画で生きていきたい」という気持ちと、「誰かと結婚してすっぱり辞めれば楽になるかも…」という逃げの気持ちがせめぎ合っていました。

本当に腹をくくれたのは、32歳のとき

私は28歳くらいのとき、まあまあお金持ちの兵庫の男性と遠距離で付き合っていたんです。結婚したらもう生活の心配をしなくていい。でもその一方で、 「このまま結婚してしまったら、私は人生に満足できるの?」 という不安がありました。

そして 「結婚して逃げられるか?」 と考えたとき、 「あ、絶対逃げられないな」 と思いました
結局、どんな道を選んでも、私は 「漫画を描きたかった~」 って思ってしまう。
その気持ちがある限り、どこかで 「もしあのとき頑張ってれば…」 と後悔する未来が見えたんですよね。もう呪いなんですよw

だから、32歳のとき、ようやくはっきりと決めました。
そこまでに10年かかったけど「金持ちとの結婚に逃げる」という道は捨てた。どんな形でも漫画や絵を描くことにしがみつくと覚悟を決めたのです

それからは、仕事のスタンスも変わりました。アシスタントとして技術を上げることに集中し、先生の仕事をしっかり支えられるようになりました。中途半端に「いつか漫画家として独立できたら…」なんて考えていた頃より、むしろ仕事が楽しくなりました。

結果として、私は38歳で今の夫と結婚しました。子供についても悩んだけれど「この人となら、子供がいなくてもいいかな」と思えたので、子供なしの選択をしました。もちろん「子供がいたら楽しいだろうな」と思うことは今でもあります。でも、何かを選ぶということは、何かを手放すことでもある。だから 「後悔しない」と決めることが大事 だと思っています。

振り返ると、先生の言葉は、 世間に流されるのではなく、自分で決めることの大切さ を教えてくれました。
「みんなが結婚するから」「普通は子供を持つものだから」ではなく、「自分にとって必要なのか?」 を考え抜くこと。それはめちゃくちゃしんどい作業だけど、後悔しないためには私にとって必要なことでした。
大人になるためのイニシエーションですね

そう考えると、今の私が ノートを開いて考えを整理する ことが好きなのも、あのときの延長なのかもしれません。(そして150冊のノートの在庫を抱えるコレクターが爆誕するのでしたw)

あの時、先生が 「腹をくくる」 という姿勢を実体で見せてくれたおかげで、私も自分なりの覚悟を持つことができたと思います。これからも、何かを選ぶときには 「本当にそれが自分にとって必要か?」 を考えながら、後悔の少ない道を選んでいきたいです。
そういうときに素敵なノートは心強い味方になりますよ!(*´ω`*)

読んでくださってありがとうございましたヽ(^o^)丿

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