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脳内ピンク計画

今年の正月に買ったスケジュール帳には
春、夏、秋、冬と
やりたいことを書く欄がある。


春の欄を覗いてみた。


『お花見をしたい』


これだけだった。
なんと浅い。なんだか悲しい気持ちになった。

春といえばなんだろうか。
漠然とピンク色が浮かんだ。

今、ちょうど駅のエスカレーターに立っている。
目の前には、ピンクの長靴を履いた女の子。
3.4歳だろうか。

そして、隣にはお母さんとお父さん。
お母さんは同じような色のピンクの靴を履いて
お父さんは子供用のピンクの傘を持っている。

今日はこの後、雨の予報だ。

ピンク色のアクセントは
雨予報の憂鬱を吹き飛ばすように
3人家族をより輝かせる。

電車に座っている
高島屋の袋を持った若い男性。
一緒に別の紙袋も持っている。
視力が悪いため何の袋かはわからない。

新しい生活の準備だろうか。
想像が膨らむ。

さきほどの家族と、降りる駅も一緒だった。
お母さんが財布を取り出す。
またピンクだ。


女の子は、二人の手をふりほどいて
駆け出した。
おぼつかない足で、
予測不能な方向へ一生懸命に走る。
タッタッタッタ
なせが、私も頑張らねばと思う。



気付けば
ピンク色はそこらじゅうにあふれていた。
そうだ、この春はピンクを探そう。
新しい出会いと発見を求めて。

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